離婚をファッション広告に利用? 米大物カップルのしたたか戦略

バレンシアガのデザイナー、デムナ・ヴァザリアとともに来場したキム・カーダシアン(John Shearer/WireImage)


メットガラでも、カーダシアンが司会を務めたSNLのエピソード収録後のパーティーでも、イェのアルバム「ドンダ(Donda)」のアトランタで行われた試聴イベントでも、メディアが撮影したカーダシアンとウェストの写真では、バレンシアガが中心的位置を占めていた。これはどれも、バレンシアガによる大掛かりな広告なのだろうか?


Marc Piasecki/WireImage

これは、カーダシアンとイェの離婚劇が終わるまで続いていくだろう。ティックトックなどでカーダシアン関連情報を発信するアカウント「Kardashian_kolloquium」を運営するMJコーリーは、2人がしていることを、「パフォーマンスアート」が混じった「メディア劇場の一形態」と呼んでいる。

「広告がメディアに掲載される写真の中にさらに深く埋め込まれ、何が『本物』で何が広告なのかを見分けるのが一層難しくなっている」とコーリーは説明する。ストーリーテリングは現在のエンターテインメント界の中核をなすようになっており、それはタブロイドが報じるゴシップについても同じだ。

これは、ファッション広告の新形態とも呼ばれている。タブロイド紙がセレブの交際や破局を追い続ける中、芸能人がそれをスポンサー付きの衣装を着る機会として利用するのも自然なことだ。そもそも、パパラッチ写真の多くは事前に仕組まれたものでもある。

これは従来と比べ曖昧なファッション広告の新形態であり、典型的な「スポンサー付き投稿」に当てはめることが難しい。今後の展開に注目したい。

編集=遠藤宗生

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