離婚をファッション広告に利用? 米大物カップルのしたたか戦略

バレンシアガのデザイナー、デムナ・ヴァザリアとともに来場したキム・カーダシアン(John Shearer/WireImage)

米誌「インタビュー」で先日、米女優のジュリア・フォックスが、「イェ(Ye)」に改名した米歌手カニエ・ウェストとの1、2度目のデートについてつづった手紙が掲載された。

映画『アンカット・ダイヤモンド』で知られるフォックスはイェとの交際を認め、マイアミで大みそかに出会った際すぐに意気投合したと説明。イェはその後、フォックスをホテルのスイートルームに招待し、グレン・マーティンスがディーゼルのためデザインした2022年の春夏ランウェイコレクションなど、試着ができる服を大量に用意するというサプライズを行った。一方、イェ自身はスペインのファッションブランド「バレンシアガ」を着用していた。

フォックスはこれを「シンデレラ」になったような瞬間だったと語っている。キム・カーダシアンとイェは昨年2月に離婚手続きを開始。以降、どちらも全身バレンシアガを着用した姿を見せてきた。カーダシアンは、コメディー番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」のコメディアン、ピーター・デビッドソンと一緒にいるところを目撃されたときも、バレンシアガを着ていた。

ツイッター上では、カーダシアンとイェがバレンシアガばかり着用していることを指摘する声が、ファッション関係者から上がっている。クリエーティブディレクターでライターのパトリック・サンドバーグは「セレブの離婚のスポンサーとなり服を提供することは、シニカルだがうまい新たなスポンサーの形だと感じる」と投稿した。

バレンシアガのクリエーティブディレクターであるデムナ・グバサリアは以前、イェのブランド「イージー(Yeezy)」で働いていた。つい先日には、グバサリアが「イージーギャップ(Yeezy GAP)」のコレクションをデザインすることが発表された。

バレンシアガはカーダシアンとイェ両者の定番ブランドであり、演劇や映画の服を手掛ける衣装デザイナーのように、2人のセレブ離婚劇に事実上の「衣装提供」を行っている。


イェとジュリア・フォックス(Marc Piasecki/GC Images)

あるティックトックユーザーは、パパラッチが撮影した写真の中で、イェの隣を歩くフォックスがバレンシアガを着用していたことを指摘した。フォックスは2020年、カーダシアンがプロデュースする下着ブランド「スキムズ(Skims)」のキャンペーンにも参加していた。バレンシアガは果たして、この離婚劇の衣装スポンサーとなっているのだろうか?
次ページ > ファッション広告の新形態

編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事