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2022.01.22 07:30

メルセデスがLiDARメーカー「ルミナー」と提携し株式取得

Getty Images /(c)Luminar

米国で最も若いビリオネアの一人が率いるLiDARセンサーのメーカーの「ルミナー(Luminar)」は、メルセデス・ベンツとパートナーシップを結び、メルセデスの高級車向けにセンサーを供給し、そこからオンロードデータを収集して自動運転テクノロジーの改善を支援しようとしている。

ルミナーのIrisと呼ばれるLiDARは、メルセデスの次世代プラットフォームに搭載される予定で、安全性を向上させ、高速道路走行時の自動運転を支援する。このセンサーを採用する具体的なモデルや、顧客への販売開始時期などの詳細は明らかにされていない。

また、メルセデスはパートナーシップの一環として、ルミナーの株式150万株を取得したと、ルミナーの創業者でCEOのオースティン・ラッセル(26歳)はフォーブスに語った。

「自動車業界の頂点に位置する最大手の高級自動車メーカーが、自律走行システムと次世代安全システムのための技術の未来を我々に託してくれたことは、当社にとって画期的な出来事だ」とラッセルは述べている。

メルセデスに先立ち、ボルボ・カーズや中国の上海汽車集団(SAIC)、ダイムラートラックなどがルミナーと提携しており、これらの企業もルミナーを自動運転車両の中核技術と考えている。

LiDARは、レーザーを使って昼夜を問わず周囲の物体の3Dマップを作成し、自動運転車のビジョンシステムを強化するテクノロジーで、自動運転テクノロジーを開発している大手企業は、イーロン・マスクのテスラを除いて、すべてこのテクノロジーを採用している。

このニュースを受けてルミナーの株価は1月20日に11.5%急上昇し、15ドルで取引を終えた。

メルセデスの開発・調達部門のCTOであるMarkus Schäferは、「ルミナーは、最先端の技術を持つ企業が並ぶ当社のパートナー企業のリストに、完璧な形で加わることになった。当社にとって他社との協力はきわめて重要な意味を持つものであり、オースティン・ラッセルとルミナーが我々の旅に参加してくれたことを非常に嬉しく思う」と述べた。

ルミナーがこれまで他社と結んできたLiDARの供給契約は、今回のメルセデスとの契約を含め、個人が運転する車両の自動運転にLiDARを使用することにフォーカスしている。

アルファベット傘下のウェイモや、GMが支援するクルーズ、アマゾン傘下のZoox らが開発中のロボットタクシーは、主に都市部での自動運転を想定しているが、ルミナーは高速道路上での自動運転に向けて技術を最適化することに注力している。

ルミナーのLiDARは、高速道路上で数百メートル先の物体を検知するという重要な役割を担っている。また、同社のセンサーは車両の安全性の向上を支援するとラッセルは述べている。「優れた自動緊急ブレーキや衝突回避システムなどを通じて、車両の安全性の向上に貢献する」と、ラッセルは述べた。

ルミナーは現在、オーランドの製造施設でセンサーの生産拡大の準備を進めている。

編集=上田裕資

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