お風呂は浴槽とシャワーが分かれており快適で、換気扇と電気のスイッチには軽石を使うといった、ちょっとしたこだわりもあった。
夜、テラスに出ると満天の星々が広がっていた。氷点下3度と底冷えする日だったが、頭上の景色は八ヶ岳に滞在した特権だったと思う。
カーテンを開けたままダブルベッドで就寝し、朝は木々を眺めながら起床。心なしか良質な睡眠が取れた気がした。
個人的に気になったのは洗濯機がないこと(今後オープンの山中湖1st、河口湖1st、北軽井沢1st、八ヶ岳2nd、白樺湖2ndには設置予定)。少ない荷物で気軽に3〜4日宿泊しようと思うと、洗濯ができてこそ、申し分ない「セカンドホーム」と言える気がする。
それでも、ほとんどの生活必需品がそろい、少なくとも一人の生活スペースとしては十分すぎるほどの広さのSANUでは、滞在して数時間で「自宅」で過ごしているかのような居心地になれた。外出から戻り、一棟でたつキャビンに入るのは、一軒家の自宅に戻るかのような感覚で、これもホテルや旅館とは違うユニークな点だろう。
では、月額5万5000円をどう見るか?
当然ながら経済的余裕がある人、あるいは集中して執筆や思考する時間を確保したい人にとっては、利用を踏みとどまる理由はほとんどないように思う。
車で15分圏内には、コンビニやスーパーマーケットのほか、吐竜の滝、清里テラス、清里ポニー牧場などがあるため、ファミリーで週末に利用するのも楽しみには事欠かない。
しかし、一滞在にかかる清掃料と交通費の上乗せ分も加味すると、少なくとも筆者を含めた20代のサラリーマンにはなかなか手を出しにくい。例えば、会社の福利厚生として使える法人向けのプランがあったり、近隣の観光スポットと連携したクーポンなど付加価値があったりすると登録のハードルも下がるのではないかと思う。
今後、拠点や利用者が増えるのにあわせ、SANUはどのようなサービスに進化していくのか。登録も検討しながら、引き続き注目していきたい。