1月に入ると、小売店には返品が雪崩のように押し寄せてくる。こうした状況に持続的に対処するには、どうすればいいのだろうか。
消費者は、購入した商品を小売店に無条件で返せる返品規定が大のお気に入りだ。それと同時に、返品された商品や、売れ残った商品などについてのブランド側の対応には、これまで以上に目を光らせている。
こうした商品の取り扱いをめぐって、2021年6月に、アマゾンにはさらなる汚点がついた。英報道番組iTV Newsによる潜入調査で、英アマゾンが毎年、何の問題もない新品の売れ残り商品を何百万点も廃棄していた事実が明らかになったのだ。
ここで嬉しいニュースだ。マスターカードのリポートによると、2021年11月から12月にかけての年末ホリデー商戦では、小売販売額が前年比で8.5%増加した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック前の2年前と比べて、ほぼ11%増だ。ただし、喜びの声をかき消すように、米政府は、2021年11月の消費者物価指数は前年同月比で6.8%と、驚くほど上昇したと発表した。
次は残念なニュースだ。年末商戦後の返品件数は過去最高を記録する、と専門家たちが予測している。
最終的には、返品額は5000億ドルを超える可能性がある。つまり、2021年の米小売販売額として推定されているほぼ5兆ドルの10%にも相当するのだ。
今回の年末商戦の返品は、前年同期比で13%増え、過去5年の平均を45%も上回るとの予測もある。Eコマースプラットフォーム「ショッピファイ」は2021年8月に投稿した記事で、オンラインショップが最大の打撃を受けており、返品率は20%から30%だと伝えていた。
小売業界以外では、返品率が注目されることはほとんどない。しかし、輸送費に加えて、梱包を解かれて手荒く扱われた商品の処理には多額のコストがかかるため、少ない利ザヤで経営に四苦八苦している小売店にしてみれば、利益を引き下げる大きな要因となる。