自分に素直に、意思を持って。キャリアを見直す「3つのステップ」

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2. 上司と対話する


自分がどんなタイプで、どんな方向性を持っているか見えてきたら、次は上司との対話だ。それにより、自分の思いを会社のミッションとどう重ねられるのかをすり合わせていく。

会社が社員のキャリアを決めていく時代においてそんな対話は必要なかったかもしれないが、今は一人一人が自分のキャリアを自分で考え、責任を持っていく時代である。だからこそ、自分の方向性はきちんとオープンに対話できたほうがよい。

もしあなたがそうできる環境にいる、もしくは、勇気をだして話してみようと思える上司がいるのであれば、ぜひ挑戦してみてほしい。キャリアに成功した人の多くが、自分で意思を持って異動願いを出したり、機会に飛びついたりした体験を持っているし、意思あるあなたを応援してくれる人はいるはずだ。意思表明が積極性と受け取られ、評価につながることもあるだろう。

もし、こうした対話ができる環境にないと思ったら、会社にとどまるかどうか考えてみるのもよいかもしれない。

昔であれば会社は定年まであなたのキャリアの面倒を見てくれたかもしれないが時代は変わってきている。その変化に追いつけていない組織であれば、他の環境を模索してみるのも一手である。その際にも、色々な選択肢がある。転職、起業もあれば、週末起業や副業など少しずつ新しい世界に足を踏み入れてみることもできる。



3. マーケットと対話する


自らを理解し、上司と対話するだけでは最善の道にはたどり着かないこともある。なぜならキャリアというのは、マーケットにおける専門性や経験への需要と供給のバランスが大きく影響するからだ。

いくらあなたの目標がクリアになっても、マーケットに需要がなければ仕事をすることはできない。逆に、あなたの専門性や経験とやりたいことが需要と一致していれば、いくらでもそういう機会はあるかもしれない。

今いる環境でやりたいことができるとしても、他に行けばさらに大きなスケールで実践できることもありえるだろう。実際に私も「グローバルリーダーになりたい」という自分の目標と「グロバールカンパニーになりたい」という会社の目標を重ね合わせていた時に、外部のヘッドハンターから「よりグローバルな環境に短期的に挑戦できる機会」が他にもあると気づかされたことがある。

組織に属していると、つい自らの目標を会社のミッションと重ね合わせる方向に考えがちだが、無理やり重ね合わせるのではなく、重ねあっていると確認できるような状態が理想だ。

その客観的な判断材料となるのがマーケットとの対話である。対話の相手はヘッドハンターでもいいし、転職サイトに登録して声をかけてくれた会社と話してみるのもいいし、キャリアの専門家に話してみてもいいかもしれない。ここでの注意点は友人や家族を除外することだ。友人や家族は親身になってくれる分、客観性が弱く、個人の経験に依存した意見になることもある。マーケットを俯瞰している複数の人に相談し、しかしその意見に流されず、自分で考えることが大事である。

私もこれまで多くの相談にのってきた。転職をしていく人もいれば、逆に現職での目標がクリアになり、その後仕事の評価が上がっていった人もいる。

より主体的にキャリアを築いていくために、この1年をより有意義なものにするために、3ステップを試してみてはいかがだろうか。

文=西野雄介

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