VivaldiのCEOであるヨン・フォン・テツナー(Jon von Tetzchner)は同社の公式ブログに「Vivaldiが絶対に暗号通貨に手を出さない理由」と題した文章を投稿し、暗号通貨に反対する立場を明確にした。
「暗号通貨は、通貨の革命や投資の未来、画期的な技術として宣伝されているが、誇大広告の先に目を向ければ、通貨を装ったマルチ商法以外の何物でもない」と彼は述べている。
彼は、投資家に暗号通貨が売られる方法を批判しており、「暗号通貨は実際の通貨として使用するには変動が大きすぎるため、人々は一種の投資スキームとして扱っている」と述べている。
「問題は、このシステムから実際のお金を引き出すには、自分が保有しているトークンを買ってくれる人を見つけなければならないことだ。これは、人々がトークンをもっと高く買ってくれる人に売れると信じている限り、起こりそうなことで、それが繰り返されるのだ」とフォン・テツナーは述べている。
「仮にある時点で、将来価値が上がるという約束だけでトークンを買ってくれる人を見つけることができなくなったら、すべてのスキームは崩壊し、すべてのトークンの価値はゼロになってしまうかもしれない」
フォン・テツナーは暗号通貨のマイニングが引き起こす環境破壊についても指摘している。
「ビットコインのエネルギー使用量は、いくつかの国の電力消費量に匹敵し、今後も増え続けるだろう。人々の多くが二酸化炭素排出量を減らすために最善を尽くしている中で、その努力を台無しにするような技術に溺れるのは非生産的だ」
1995年にブラウザのOperaを共同創業したフォン・テツナーは、2011年に幹部との対立によって同社を退き、2015年にVivaldiを立ち上げた。Operaは、暗号通貨のウォレットをサポートしているが、Vivaldiが同じ道を歩む可能性は絶対にないと彼は述べている。
「独自の暗号通貨を作成したり、ブラウザで暗号通貨関連の機能をサポートすることは、ユーザーがよく言えばギャンブル、悪く言えば詐欺に参加するのを助けることになる」と、フォン・テツナーは書いている。
Vivaldiのアンチ暗号通貨の姿勢は、競合のブラウザの「Firefox」の運営元のモジラ財団(MozillaFoundation)が今月初めに行った同様の決定に続くものだ。
モジラ財団は、オープンソースで開発されているFirefox の運営資金の寄付を募っていたが、暗号通貨での寄付を受け入れることをツイートした後に批判を浴び、その発言を撤回していた。
同財団は1月6日、「暗号通貨による寄付が当社の気候変動に関する目標に合致しているかどうかを検討し、暗号通貨の寄付を一時停止する」とツイートした。