ライフスタイル

2022.01.23 08:30

デジタル機器と、健全な関係を築いていくには


デジタル機器を使う習慣は、心や感情の健康にも深刻な影響をもたらす。ハーシャーは次のように話す。「朝一番に、メールやソーシャルメディアをチェックすると、人は闘争・逃走状態に突入してしまう。ベッドを出る前からすでに、ストレスを感じながら1日をスタートさせている」

ソーシャルメディアは、大切な人たちと実質的に結びついて一体感を育めるという点では最高の場だ。しかし、心理学者メリッサ・G・ハント(Melissa G. Hunt)の研究では、ソーシャルメディアの使用時間が長くなればなるほど、孤独感や不安感が深まる可能性があることが示されている。

ハントは2018年、若年成人を対象に、ソーシャルメディアに費やす時間が、人の気分にどのような影響を与えているかを分析する研究を実施した。研究参加者がソーシャルメディアを使用する時間を、1日あたり最大10分間に制限したところ、制限しなかった日に比べて、彼らの感情的なレジリエンス(回復力)が向上したことがわかった。

健全なデジタル生活を維持するためにできること


デジタル機器はいま、公私を問わず、生活のさまざまな領域まで深く浸透している。ただし、こうした技術的な発展を前に、圧倒されたり疲弊したりしている人たちもいる。

テキサスA&M大学でデジタル人文学を研究するジェイソン・クライダー(Jason Crider)は、こう話す。「現代の生活において、デジタル技術は恒久的かつ不可避なものだ。従って私たちは、デジタルに関連した行動の健全性を向上させ、長く維持できる習慣を作り上げ、知識を育んでいく必要がある」

デジタル機器を利用する人は、デジタル眼精疲労を予防するために、スクリーン用のフィルターを設置したり、ブルーライト対策用の眼鏡をかけたり、意識的に画面外へと視線を向けて目を休ませたりするなど、対策を講じよう。

デジタルウェルネスを維持するちょっとした取り組みを続けていくうちに、テクノロジーと、より健全な関係を築いていけるようになるはずだ。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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