ギャラップが昨年、合計1万2416人の回答者を対象に行った調査によると、2021年の第1四半期には、米国の成人の49%が民主党を支持する(もしくは民主党寄り)と回答したのに対し、共和党の支持率は40%だった。
しかし、この割合は第4四半期になると逆転し、回答者の47%が共和党を支持し、42%が民主党を支持していた。
ギャラップによると、最大の変化は無党派層で起こっており、民主党寄りの無党派層の割合は19%から14%に減少した一方で、共和党寄りの無党派層の割合は15%から19%に上昇していた。
2021年の通年の平均では、民主党を支持する(もしくは民主党寄り)と回答した人が46%で、共和党の支持者の43%を上回っていたが、その差は民主党が48%、共和党が43%だった2020年と比べると縮まっていた。
しかし、「無党派層」を選択肢に含めた場合は、2021年の平均で米国人の42%が無党派層だと回答し、民主党が29%、共和党が27%だった。
ここで気になるのは、2022年の米国人の政党に対する意識がどのように変化するかだ。ギャラップによると、12月に行われた調査では、共和党または共和党寄りの人が46%、民主党が44%となっていた。
ギャラップによると、同社が1991年に支持政党の調査を開始して以来、アメリカ人は伝統的に共和党よりも民主党寄りだったというが、例外もあり、1991年は共和党が大きくリードしていたという。また、両党がほぼ拮抗していた年としては2001年、2002年、2003年、2010年、2011年が挙げられるという。
2021年に米国人の支持政党が大きく変化したのは、バイデン大統領の支持率と関係があるのではないかとギャラップは指摘している。トランプ前大統領は昨年1月に過去最低の34%の支持率で退任したのに対し、バイデン大統領の就任時の支持率は57%に達していた。
しかし、アフガニスタン問題や新型コロナウイルスへの対応を受けてバイデン大統領の支持率は急落し、2021年の末時点の支持率は約43%だった。
共和党の支持率の拡大は、2021年の選挙にも反映されており、バージニア州の知事選などの主要な選挙で共和党が勝利し、ニュージャージー州の知事選では予想以上の接戦の結果、民主党が辛うじて勝利していた。
2022年の中間選挙では、米国人の党派傾向がどのように影響するかが注目されている。ファイブサーティーエイトがまとめた世論調査によると、1月16日現在、「共和党を支持する」と答えた人は42.4%、「民主党を支持する」と答えた人は41.8%という僅差だった。