ビジネス

2022.03.16

村上春樹の「人間洞察力」が経営に効く理由

村上春樹の書籍が並ぶ本棚から


経営者としての村上春樹


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Getty Images

そして、村上春樹さんは経営者としての経験もあります。大学在学中から作家に専念するまでの間、20代後半から30代前半まで、バーの経営者でした。長編小説「国境の南、太陽の西」(1992年、講談社)の主人公は東京青山でバーを経営していますが、同書に限らず他の著作でも、おそらくは実体験に基づくのであろう、経営者としての心得のような記述が随所に見られます。

よく「理想の◯◯」なるアンケートがなされますが、もし村上春樹さんが教師だったなら。もし村上春樹が経営者だったなら。もし村上春樹さんが首相であったなら。筆者の人生も、日本企業も、日本国も今とは大きく違っただろうな……と夢想します。シャイな村上春樹さんはどれも受けてくださらないでしょうが。

それでは次回から、「村上春樹さんから学ぶ経営」を連載していきたいと思っています。議論はどこに飛んでゆくのか? ご愛顧のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。

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村田朋博◎東京大学工学部精密機械工学科卒。フロンティア・マネジメントには2009年入社、マネージング・ディレクターに就任し、2018年に執行役員に就任。山一電機株式会社社外取締役。20年間のアナリスト経験を有し、2001年第14回日経アナリストランキング 電子部品部門1位。著書に『電子部品だけがなぜ強い』『経営危機には給料を増やす!』 (日本経済新聞出版社)など。

(※本稿は、フロンティア・マネジメント運営の経営情報サイトFrontier Eyes Onlineからの転載である)

文=村田朋博

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