オークションハウスのサザビーズによると、「エニグマ(The Enigma)」と名付けられたこのダイヤモンドは、これまで一度も公開されたことも販売されたこともない希少な品で、20年以上にわたって個人が所有してきたものだという。
このダイヤモンドはノーリザーブで出品されており、価格がいくらであっても最高額の入札者に売却されることになるが、サザビーズによると、今日の宝石市場の好調さを考えると、410万ドルから680万ドル(約7億8000万円)の値がつくと予想されている。
サザビーズのオークションでは、7月に香港のバイヤーが1230万ドルのダイヤモンドの落札金額を暗号通貨で支払ったが、今回のオークションでも、暗号通貨による支払いを受け入れる。
’The Enigma’ - a treasure from interstellar space and the largest faceted diamond to ever come to auction is unveiled today in Sotheby’s Dubai https://t.co/1nyUAsTe8j #SothebysDiamonds#blackdiamond#SothebysJewelspic.twitter.com/s713AVo14c
— Sotheby’s (@Sothebys) January 17, 2022
エニグマは、2006年にギネスブックによって世界最大のカットダイヤモンドに認定されていた。このダイヤモンドのユニークなデザインは、中近東のシンボルである「ハムサ」から着想を得たものだ。ハムサは保護を与えることを意味する人間の手の指の本数の「5」を表すシンボルで、555.55カラットの大きさと55ファセットのカットにも関連づけられているとサザビーズは述べている。
エニグマのオンライン入札は2月3日から開始され、その前にドバイ、ロサンゼルス、ロンドンで初めて公開される。
近年は暗号通貨の利用や投資が普及するにつれ、暗号通貨を受け入れるオークションハウスが増えており、それと同時にNFTを活用したデジタルアート作品の出品も増えている。
昨年3月には、デジタルアーティストのビープル(Beeple)のNFTが6930万ドル(約75億円)で落札され、ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、代金はイーサリアムで支払われていた。クリスティーズによると、このオークションでビープルは現代美術家のジェフ・クーンズ(Jeff Koons)やデービッド・ホックニー(David Hockney)と並び、作品の価値が世界で最も高い存命の現代芸術家3人のうちの一人となった。
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