英国ではこれを受け、エリザベス女王がアンドルー王子に与えていた軍の名誉職と慈善団体のパトロン(後援者)の役職などを剥奪したしたと報じられた。その後、同国ではさらに、王子が持つ「ヨーク公爵」の肩書も剥奪すべきとの声があがっている。
王子が今後は王族に使用される敬称の「ロイヤルハイネス(殿下)」も使わないことが公表されているが、爵位については今のところ、何も発表されていない。
イングランド北部の都市、ヨークの市議会議員らは、アンドルー王子の爵位も同時に剥奪するよう求めている。「ヨーク公爵」の称号は象徴的なものであり、ヨーク市自体とはほぼ無関係だが、王子と関連がある都市だとみなされることを望まないためだという。
同市のダリル・スモーリー議員(自由民主党)は次のように語り、英紙ガーディアンに対し、議会に爵位の剥奪に向けた行動を求める考えであることを明らかにしている。
「王子が“殿下”などの称号を使用しないとする一方、ヨーク公の称号を保持することは、非常に不適切だと考えている。そのことを明確にするのは、私たちの義務だ」
「ヨークにいる私たちの多くにとって、王子が爵位を持ち続けることは、おかしなことに思える」
ただ、同じヨーク市民でも、王子の爵位を今すぐ剥奪すべきではないと考える人もいるようだ。保守派の議員の一人はBBCに対し、「無罪の推定は文明社会の基礎」だと述べ、王子に対しても、「疑わしきは罰せず」の原則を適用すべきだとしている。
「ヨーク公爵」は、現在英国に8つある公爵の爵位の一つ。女王は1986年、アンドルー王子が元妻セーラ・ファーガソンと結婚した日、「君主は息子と孫に、その結婚式の日に公爵の爵位を授与する」という王室の伝統に従い、この爵位を与えた。
より最近では、女王は孫のウィリアム王子に2011年、ケイト・ミドルトンとの結婚を機に「ケンブリッジ公爵」の称号を授与。ヘンリー王子には2018年、メーガン・マークルとの結婚の日に「サセックス公爵」の爵位を与えている。