・若者が経済に対して抱く悲壮感は、低中所得国に比べて高所得国でより強く見られます。
・新たな調査「変わりゆく子ども時代プロジェクト」では、今の子どもたちの暮らしについて尋ねました。
・楽観的な考え方の若者が多いものの、その程度については地域によって違いがあります。
・全体では、年齢が1歳上がるごとに「世界はより良い場所になっている」と答える人の割合が1%減少することが分かりました。
親世代よりも豊かな生活を送れると思いますか。
これは社会の経済的発展を測る指標の一つとして、以前から存在してきた問いです。世界中の若者は、自国の子どもたちは親世代よりも全体的に良い暮らしができるようになると考えていますが、豊かな国と貧しい国を比較するとその考えには、顕著な違いが見られます。
これは世界こどもの日を前に、ユニセフが複数の世代を対象に実施した国際的な調査結果のひとつ。「変わりゆく子ども時代プロジェクト(The Changing Childhood Project)」で発表されたものです。
調査対象となった21カ国すべての若者のうち半数強(54%)が「現代の子どもたちの方が良い暮らしができる」と答えたのに対し、高齢世代では45%となりました。さらに、57%の若者が「世界はより良い場所になっている」と回答したように、今回の調査から、若者の間で楽観的な見方が広がっていることがわかります。
What is it like to grow up in today’s world?
— UNICEF (@UNICEF) November 18, 2021
This #WorldChildrensDay, check out UNICEF’s Changing Childhood Project - the first international poll asking multiple generations across the world for their views on what it’s like to be a child today.
世界各国で異なる、経済的楽観的主義
それでも高所得国では、子どもたちの暮らしは親世代よりも悪くなると思う若者(59%)は、良くなると回答した若者(31%)の2倍に上り、意見の違いが明らかになりました。
高所得国と低所得国との間で、経済に対する見方に違いがあることがわかります。イメージ: UNICEF/GALLUP report
「過去20年間にG20の新興国と開発途上国で実質賃金が約3倍になった一方で、先進国ではほとんど変化していないという経済の実情が、若者の意見には反映されている」と調査は指摘しています。さらにこう加えています。「高所得国の高齢世代は、この点について若者よりもさらに悲観的に捉えている」。