情熱よりも好奇心を追うべき5つの理由

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キャリアでは「自分の情熱を追え」という言葉は、誰でも一度は耳にしたことがあるだろう。自分の仕事に情熱をもって取り組んでいる私は、その考えも理解できる。しかし、この言葉の裏にある真の意図は、情熱というよりも、自分のキャリア(さらに言えば人生)での幸福にとって重要な、あるソフトスキルに深く関わっている。そのスキルとは、「好奇心」だ。

この場合の好奇心は、キャリアアップに非常に有用な知識・技能を習得したいという強い意欲のこと。好奇心を追うと、自分の興味をかき立てる領域を(たとえそれが自分の「情熱」が向かないと思われる領域であっても)積極的に探究し、新たなスキルを磨いて自分のものとすることができる。

以下に、キャリアアップのためには情熱よりも好奇心を追うべき5つの理由を説明する。

1. 好奇心は可能性を開く


情熱のみを追うと、自分が興味を持てない領域や人をシャットアウトしてしまうこととなる。一方で好奇心を持つと、オープンな状態になれる。新しいアイデアや知識、可能性を追求したり、人とのつながりを広げて新たなことを習得し、自分の考えとは異なる新しい見方を知ったりできる。このオープンな姿勢が、キャリアアップや新たなチャンスをもたらす原動力となる。

2. 好奇心は情熱につながる


人は自分の情熱について語るとき、ただひとつものに焦点を当ててしまいがちだ。特に社会人になったばかりの頃は、自分のキャリアにつなげられるたった一つの情熱を見つけようと必死になる人が多い。しかし好奇心を追えば、今とは異なる役職や職場環境にも触れられ、自分にとって最も大切なものは何かを発見する助けとなる。自分のさまざまな興味について時間をかけて探究することで、自分が大きな情熱を感じるものを発見できる。そしてそれは、一つだけとは限らない。

3. 情熱は時間と共に変わる


20歳の頃に抱いたのと同じ情熱を、50歳になってもまだ持ち続けている人はめったにいない。キャリア初期では、情熱を持ってひとつの目標を目指さねばならないと思うかもしれない。だがある時点で、自分の興味や自分が好きだと思っていたものが変わることもある。キャリアが進化する中で、情熱も進化するのだ。
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編集=遠藤宗生

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