バイデン政権の苦境鮮明、国民の7割がインフレ対応に不満

ジョー・バイデン米大統領(Anna Moneymaker/Getty Images)

CBSニュースと世論調査会社YouGovが1月16日に発表した世論調査データによると、バイデン大統領の就任から約1年が経過した今、米国人の半数が大統領のパフォーマンスに不満を感じており、経済や高いインフレ率、パンデミックへの対応に満足していない。

バイデン政権をどのように感じているかという質問に、「不満だ」と答えた人は50%、「失望した」と答えた人は49%、「気がかりだ」と答えた人は40%だった。一方で、「落ち着いた気分でいる」「リラックスしている」と答えた人はそれぞれ25%だった。

なかでも最大の問題と言えるのは12月に7%に達したインフレ率で、回答者の65%が「バイデン大統領が十分な対応を行っていない」と答え、70%が「政権の対応に不満だ」と回答した。ただし、大統領を支持しない人の63%が「インフレ率が下がれば大統領に対する見方が改善する」と答えていた。

大統領の経済への取り組みも大きな問題となっている。バイデン政権の経済対策については、58%が「十分な対策を行っていない」と回答し、62%が「支持しない」と回答した。

さらに、新型コロナウイルスのオミクロン株で感染者数が過去最多を記録する中、64%がバイデン大統領の対応が「うまくいっていない」と答え、この分野での大統領の対応に不支持を表明した人の69%が、「政権のメッセージが国民を混乱させている」と回答した。

また、バイデン大統領は「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」と呼ばれる一連の社会改革の成立に注力しているが、回答者の39%が「大統領と民主党は国民が関心を持たない問題に焦点を当てている」と答え、この改革案が成立すれば大統領に対する評価が上がると答えたのは24%にとどまっていた。

CBSニュースによると、バイデン大統領の支持率は44%で、彼の支持率は昨年3月に62%と最高を記録した後、10月から大きく落ち込んでいる。同じ時期のオバマ前大統領の支持率は50%で、トランプ前大統領の支持率は37%だった。

今回の世論調査の直前の13日に、連邦最高裁はバイデン大統領が提唱した企業へのワクチン接種義務化の措置を差し止めた。

また、先月は民主党保守派の有力議員のジョー・マンチン上院議員がバイデン大統領の、よりよき再建案を支持しないと公言した。マンチン議員はさらに、アリゾナ州のクリステン・シネマ議員とともに、大統領と民主党が意欲を燃やす「フィリバスター(上院における少数派による議事進行妨害)の慣行」の廃止を支持しないと主張している。

編集=上田裕資

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