今年の熱量は半端ない。東京オートサロンで数々のびっくり箱が公開された

会場で一際目を引いた「日産フェアレディ Z カスタマイズ・プロト」


トヨタGAZOO RACINGのブースでは、迫力100%の「GR GT3 コンセプト」と「GRMNヤリス」の2台が発表された。コンセプトカーのボディ以外は何も発表されなかったGT3コンセプトは、正直な話、そのシルエットが数年前に発表されたマツダRXビジョンのコンセプトのプロポーションと雰囲気に似ていると感じたけど、皆さんどうだろう。話によると、同車はGAZOOの次期レースカーのベース車になると言うことだけど、噂によると、もしかしたら市販バージョンもあるかもしれないと言う話も聞いた。

GR GT3 コンセプト
GR GT3 コンセプト

もう1台のハイライトは、トヨタのブースにあった。2年前に登場したGRヤリスは、欧州で多くの賞を獲得してきているけど、このオートサロンでGAZOOは「トヨタGRMNヤリス」を発表。同車は、既存モデル「GRヤリス」をベースに、モータースポーツで得られたノウハウを生かして軽量化とボディー剛性の強化を徹底追求する限定500台になると言う。

yaris GRMN
トヨタGRMNヤリス

しかし、僕が一番驚いたのは、スバル・ブースに行った時だった。WRX、レヴォーグのカスタム仕様車、そしてスバル初のEV「ソルテラ」の奥に、白いスーパーカーが展示してあった。「何これ?」と思って、クルマを見に行ったら、何と4WDで1088psを発揮する電気自動車「STI E-RAコンセプト」だった。スバルはよくこの超格好良い車両を秘密にできたものだ。誰もその存在自体を知らなかったようだ。やはり、サプライズは気持ちいいものだなと思った。「スバル・アメリカにも知らせていなかった」とスバル広報が言う。

STi E-ERA
スバル STI E-RAコンセプト 演出のライトで青く照らされているがボディはホワイトだ。
 
モーターはヤマハ発動機から供給されるハイパーEV向けの高回転タイプを採用し、蓄電量60kWhのリチウムイオンバッテリーで駆動するという。このE-RAコンセプトは2022年に国内で走行実験を重ねた後、2023年には、ドイツ・ニュルブルクリンクサーキットでのタイムアタックでラップタイム400秒(6分40秒)に挑戦することを最初の目標としているとのこと。EVの市場に遅れてきたスバルは、EVの可能性を最大限に追求したいようだ。
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文=ピーターライオン

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