ビジネス

2022.01.17

CES登壇者が、こぞって「白スニーカー」を選ぶ理由

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1月7日に幕を閉じたデジタル技術見本市「CES」。2年ぶりのリアル開催だった今回、とても印象的だったのは、各社ともますます「人々の生活の快適さ」を追求する方向に進んでいるということ。

オフィシャルな場も大事だけれど、それ以上に個々人の快適な時間や空間、過ごし方といった「個」がフォーカスされるようになっていた。

そして筆者が注目したいのは、それについて話す各社のCEO及びスピーカー達のプレゼンス。以前にも増してカジュアルになっており、「快適さ」をメッセージとして発信したいという意図が見えていたことに驚いた。

西海岸で進む服装のカジュアル化


アメリカにおけるビジネスシーンのプレゼンスは、大きく分けると西と東で文化が違う。筆者の住む東海岸は、コンサバで比較的硬い。一方、西海岸はカジュアル。シリコンバレーに代表される、IT系の人々を想像していただくとわかりやすいだろう。

CESの開催地はラスベガス。つまり西海岸テック系のテイストのエキシビションだ。筆者は2年前のCESで、某日系大企業のプレスカンファレンスをお手伝いしたのだが、その際「西海岸」を背景としてその場に立つことを意識したプレゼンスをアドバイスした。

社長を始め登壇する人は、スーツにネクタイというステレオタイプの「きちんとした格好」ではなく、スマートで軽快さのある、今の時代感も加味された「冬物ではないスーツ」を着用してもらった。
さらに、ドレスシャツの襟元にネクタイはなしで、ダークカラーの革のドレスシューズを合わせるよう提案。最初は難色を示されたが、何とか納得してもらって、当日を迎えたことを思い出す。

それから2年経った今回のCES、そこで気付いたのが、前述の通り、さらなるカジュアル化、いや快適化が進んだということだった。

日本の大企業CEOも、登壇する際の装いがスーツではなく、上下別のブレザーにパンツだったことには驚いた。ブレザーの中はセーターで、足元はいわゆるビジネス用の革靴ではなく、黒のスニーカーもしくはカジュアルダウンされた革靴を履いているように見えた。
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文=日野江都子

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