NASAが採用のビッグデータ処理ツールLabelboxが評価額10億ドル突破

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NASAが「地球外生命」の探査に活用


「我々の顧客は複数のAIのユースケースを持ち、将来的な差別化のためにAIが欠かせないと考えている大きな組織や大企業ばかりだ」とシャルマは話した。

ラベルボックスの初期からの顧客である自動車保険会社のAllstateは、同社のツールを使用して、ナンバープレートや車両の損傷から、請求金額を導くモデルを開発した。Allstateはその後、航空写真やモバイルデータの分析にもラベルボックスのツールを使用している。

NASAのジェット推進研究所は、ラベルボックスを使って地球上の微生物の動きを捉えた動画をAIに学習させ、宇宙空間で生命の兆候をさぐるプロジェクトに活用している。

今回の調達資金でシャルマは、ラベルボックスのエンタープライズ向けプロダクトの開発と販売を加速させると述べている。彼は、ソフトバンクの孫正義との会話を「これまでの投資家との会話の中で最も素晴らしいもののひとつだった」と語っている。

「一般的なベンチャーキャピタルとの関わりでは、会社の現在の状況のみに焦点を当てる傾向がある。しかし、ソフトバンクとの対話では、孫社長がスタートアップの長期的な目標を重視してくれた」とラベルボックスのプレジデントを務めるリーガーは述べている。

「長期的な視野で考えると、市場がどのように変化するか、市場のコントロールポイントは何かといったテーマが重要になる」と話す彼によると、ラベルボックスは将来的に、超高画質の動画などの「前代未聞の量のデータの処理」を視野に入れているという。

ラベルボックスは米国防総省とも契約を結んでおり、政府機関へのさらなる進出を目指している。パランティアの政府参入戦略を主導したスノーポイント・ベンチャーズの共同創業者のダグ・フィリポンは、「政府は、データのサイズと規模という点で、最も興味深い問題を抱えており、ラベルボックスは彼らにとって最も重要な問題に焦点を当てている」と語った。

編集=上田裕資

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