世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター元CEOが政界進出

前米大統領ドナルド・トランプ(左)とブリッジウォーター・アソシエイツの元CEOのデビッド・マコーミック(右)

ヘッジファンド最大手のブリッジウォーター・アソシエイツの元CEOのデビッド・マコーミックは1月12日、ペンシルバニア州の上院議員選挙に共和党から正式に立候補した。これに対し、彼の反対勢力はブリッジウォーターと中国政府とのつながりを非難している。

マコーミックは12日午後、共和党員として上院議員に立候補するための書類を提出し、選挙戦を正式に開始した。彼は先週、選挙活動に専念するため5年間務めたブリッジウォーターのCEOを辞任していた。

ペンシルベニア州では現職の共和党上院議員パット・トゥーミーが退任するのに伴い、民主・共和両党から複数の候補者が出馬しており、共和党からはマコーミックのほかに、外科医からテレビ司会者に転身したメフメット・オズ博士やフィラデルフィアの弁護士のジョージ・ボシェット、元デンマーク大使のカーラ・サンズなどが立候補している。

予備選挙は5月17日に行われ、民主党からはジョン・フェッターマン副知事や、2018年から下院議員を務めているコナー・ラムらが出馬を宣言している。

マコーミックは、ブリッジウォーターに勤務する前にブッシュ政権で財務省高官を務めた経歴を持つ。彼の妻のダイナ・パウエル・マコーミックもトランプ政権で国家安全保障顧問を務めていた。

マコーミックの選挙対策委員会は、トランプの側近のホープ・ヒックスとスティーブン・ミラーを雇用したと、ポリティコが11日に報じた。

1500億ドル(約17兆円)以上の運用資産を持つ世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーターは、ブルームバーグによると、1993年から中国の国家資金の運用を手掛けており、政府系ファンドの中国投資(CIC)と中国国家外為管理局(SAFE)のために約50億ドルを運用している。

オズ博士を支援する団体のAmerican Leadership Committeeは、12日に掲載した広告でマコーミックを「中国の友人」と呼んで非難した。議員らは、中国政府のウイグル民族の扱いに関連して、アメリカの企業と中国との関係について監視の目を強めている。

編集=上田裕資

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