Netflixは若者の喫煙を助長している、反タバコ団体が指摘

Chesnot/Getty Images

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ネットフリックスは、若い視聴者を対象としたオリジナル番組で喫煙描写をなくすことを2019年に約束したが、反タバコ団体のTruth Initiativeの調査によると、同社は2020年の「クイーンズ・ギャンビット」などの人気ドラマの中に、数百ものタバコの描写を盛り込み続けていた。

ネットフリックスでは、アマゾンプライムやDisney+、Huluなどと比べて、より多くの喫煙の描写を含む番組が配信されていると、研究者たちは指摘している。

2020年に6200万世帯でストリーミング配信された「クイーンズ・ギャンビット」には、220のタバコの描写が含まれており、別の人気ドラマの「アンブレラ・アカデミー」にも205のタバコ描写が含まれていた。両番組ともすべてのエピソードにタバコの描写があったとされている。

2019年に大ヒットを記録したネットフリックスの「ストレンジャー・シングス」には721のタバコ描写があったが、2020年には新シーズンがリリースされなかった。しかし、Truth Initiativeの調査で、15~24歳の視聴者の30.1%が、2020年中に同番組をイッキ見したと回答しており、古い番組も若者の喫煙のイメージに影響を与えることが示された。

British Medical Journalによると、世界の13歳から15歳の子どもの5人に1人が喫煙者で、毎日10万人もの子どもが新たに喫煙を開始しているという。

米国の公衆衛生局によると、映画を通じて最も喫煙イメージにさらされている若者は、最も喫煙イメージにさらされていない若者に比べて、喫煙を始める可能性が約2倍になるという。カリフォルニア大学サンフランシスコ校のSmokefree Mediaプロジェクトの試算で、R指定を更新して若者が映画で見る喫煙場面を年間平均275件から10件以下に減らした場合、若者の喫煙率は18%減少するとされている。

しかし、Truth Initiativeによると、2021年11月時点でテレビ利用全体の28%をストリーミングメディアが占めており、2020年には約2700万人の若者が喫煙や電子タバコのベイピングのイメージにさらされていた。

Smokefree Mediaのデータで、“最も喫煙場面が多い若者向け映画”とされる2005年の「ロンゲスト・ヤード」では、合計187本のタバコが吸われていた。

2015年にディズニーは、スクリーン上での喫煙を禁止するポリシーをルーカスフィルム、マーベル、ピクサーの映画に拡大した。これを受けて、エマ・ストーンは2021年公開の映画「クルエラ(Cruella)」で、オリジナル版では常にタバコを手放さないキャラクターとして描かれたクルエラを、タバコを吸わずに演じた。ストーンはニューヨーク・タイムズの取材に「私は喫煙を助長したくないし、子犬の毛皮を剥ぐことも助長したくない」と語った。

編集=上田裕資

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