岡田光信 アストロスケール創業者兼CEO
撤退のジャッジメントをすること
会社を経営していると、やることが増えて、いろんな意思決定をしていくと思うんですね。けれども、「これは違う」と思ったら、やめることが大事です。会社が大きくなればなるほど、一つひとつの意思決定は重くなるもの。例えば、関連するパートナー企業があったり、サプライチェーンがあったり、すでにチームをつくってしまっていたり、プレスリリースを出してしまっていたり、引くに引けない気持ちになりますよね。でも、違うと思っているものを、「思い込み」や「やると宣言してしまったから」という理由で続けてしまうというのは、本当にリソースがもったいない。撤退のジャッジメントをするべき。それができるのはトップだけなんです。
辻 庸介 マネーフォワード代表取締役社長CEO
プロダクトのセンターピンにフォーカスしなければいけない
プロダクトをつくるうえでは、誰に何を届けたいのかを、しっかり決めることが大事です。僕たちは最初に「マネーブック」というプロダクトをつくりましたが、当時は提供者側の目線で、メリットがたくさんあるサービスだから、きっと使ってくれるはずだという思い込みで進めてしまい、失敗に終わりました。そこで、「マネーフォーワード ME」では、僕ら自身をペルソナに設定したんです。そうすると、すべての意思決定は、自分たちが必要かどうかで決められる。「あったらいいな」という機能はすごく多いですが、それは実際には使ってもらえない。必ず必要な機能、プロダクトのセンターピンがはっきりすると意思決定が明確になります。
松本恭攝 ラクスル代表取締役社長CEO
採用に自分自身の時間を使うこと
まず、ビジョンを掲げ続けることが最も大事で、その次に、顧客と向き合い、売り上げに執着することです。売り上げというのは、お客さんが価値を感じてくれているかを表す指標です。裏を返せば、売り上げのないスタートアップは、プロダクトに価値を感じてもらえていないわけですから、顧客と徹底的に向き合う必要があります。最後に、優秀な組織をつくること。自分よりも優秀な人をいかに採用してチームとして機能させるかです。そのためには、採用に自分自身の時間を割く必要があります。私自身、最初にチームをつくったタイミングでは時間の5割以上を採用に使っていました。