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2022.01.13 06:00

「ベトナム製EV」のVinFast、イスラエルの電池メーカーStoreDotに大型出資

CES 2022で展示されているVinFast VF 5(2022年1月5日、ネバダ州ラスベガス・コンベンションセンター)(Photo by Alex Wong/Getty Images)

CES 2022で展示されているVinFast VF 5(2022年1月5日、ネバダ州ラスベガス・コンベンションセンター)(Photo by Alex Wong/Getty Images)

ベトナム最大のコングロマリットVingroupの自動車部門であるVinFast(ヴィンファスト)は、イスラエルのEV(電気自動車)用バッテリー開発企業のStoreDot(ストアドット)の8000万ドル(約93億円)の資金調達を主導した。

ロシア系ユダヤ人の富豪のロマン・アブラモビッチの支援を受けるStoreDotは、今回の資金で2024年までにシリコンを主成分とした超急速充電が可能なバッテリーセルの量産体制を強化すると述べている。

VinFastは、ベトナム国外でのEVの販売を目指しており、今回の取引でバッテリーを確保できるとアナリストは述べている。ラックス・リサーチのクリストファー・ロビンソンは、「両社の取り組みで、StoreDotの製品の市場投入までの時間が短縮され、VinFastは新興のバッテリー技術にアクセスできるようになる」と述べた。

VinFastは、米国での顧客基盤を強固なものにするため、年内に米国でIPOを実施しようとしている。同社は、11月に開催されたロサンゼルスオートショーで、「VF e35」と「VF e36」という2種類のEVを発表していた。

EVの人気はバッテリーの性能に左右される。StoreDotは、ダイムラーやサムスン、TDK、などと提携を結んでおり、同社の革新的なリチウムイオン電池は、わずか5分でEVをフル充電の状態にできるとされている。

VinFastは、テスラやBMW、ポルシェ、トヨタ、日産の幹部を呼び寄せて、世界的なEVメーカーに成長することを目指している。関係筋によると、同社のEVはテスラの同等品よりも安い価格で販売される見通しという。

翻訳=上田裕資

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