ビジネス

2022.01.11

マーク・ザッカーバーグ、昨年5300億円相当の自社株売却 ほぼ毎営業日売る

Getty Images

メタ(旧フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が昨年、税引き前で約46億ドル(約5300億円)相当の自社株を売却したことがわかった。金額は米証券取引委員会(SEC)への届け出からフォーブスが算出した。ザッカーバーグは保有する自社株を11月までほぼ毎営業日売却した。

ザッカーバーグの持ち株比率は、2012年の上場時の28%から現在は14.6%まで下がっている。2021年の株式売却益のうち約41億ドル(約89%)は、妻のプリシラ・チャンと立ち上げた慈善団体「チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ(CZI)」に寄付された。残り(税引き前で約4億9500万ドル)はザッカーバーグのトラスト(信託)保有分の売却となっている。

ザッカーバーグは2015年に、保有する自社株の99%を手放すことを約束した。その実現に向けて2012年以降、計174億ドル相当の株式を売っており、昨年の売却回数が異例に多かったというわけではない。ただ、2021年の売却額は過去2番めの大きさだった。

フォーブスの推定によると、ザッカーバーグは1月5日現在、資産額1170億ドル(約13兆5000億円)で世界7位の富豪。株式の売却は12月以降いったん中断している。

昨年は株価が高騰したこともあり、ほかにも多くの富豪が保有株を大量に放出した。

アマゾン創業者のジェフ・ベゾスは計88億ドル超相当の同社株を売却。グーグル共同創業者のセルゲイ・ブリンも5月、2017年以来4年ぶりにアルファベット株を売り、3270万ドルほどを得ている。テスラのイーロン・マスクCEOは税金110億ドルを支払うとして百数十億ドル分の自社株を手放した。

有限責任会社(LLC)として設立されたCZIは、科学研究や教育、刑事司法改革といった取り組みに資金を拠出している。12月に公表した年次書簡では、向こう10年に注力する分野として「人体の生物学的理解を深める技術開発」を挙げ、高度な生体医用画像の研究所の設立や、ハーバード大学で人工知能(AI)や機械学習の生物学・医学での活用に取り組む研究拠点の開設を支援することを明らかにしている。

編集=江戸伸禎

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