カメラマンが語る、北京五輪で「混乱」した3つの現場

Photo by YUTAKA/AFLO SPORT


2. ドーピング問題で延期になったフィギュア団体戦のメダル授与式


フィギュアスケート団体のメダル授与式が延期になった時にも、とても混乱しました。
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フィギュア団体戦は2月7日の女子シングルフリーで終了し、1位ROC(ロシアオリンピック委員会)、2位アメリカ、そして日本が3位に入りました。その日の夜、選手たちがメダルを首にかける姿を撮影しようとメダルプラザに向かいましたが授与式は翌日とのことで、8日にあらためて会場を訪れました。

多少のスケジュール変更はよくあることなのですが、この日の様子は明らかにいつもとは違いました。


Photo by Makoto Takahashi/AFLO
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19時頃に確認したスケジュールボードでも授与式は21時05分から予定されていましたが、フィギュア団体の一つ前、スピードスケート1500メートルのセレモニーで高木美帆選手の銀メダル姿を撮影した後に「フィギュア団体、延期らしいよ」といった声が聞こえてきました。

理由もその後の予定も全くわからない状態だったので、現場は皆ばたばたしていました。2月9日以降の展開は、報道のとおりです。

メダルプラザでの授与式はやはり特別なものです。アメリカのネーサン・チェン選手をはじめ、9選手が五輪閉幕前の実施を求めてCAS(スポーツ仲裁裁判所)に提訴しましたが、棄却されました。

裁定、理由はともあれ、選手たちが健闘をたたえ合い、喜びや感情をかみしめる場に立てなかったのは、本当に残念なことでした。

また、ワリエワ選手は今回優勝候補として選手たちの中でもひときわ注目を集めていましたので、ドーピング問題が発覚してからはさらに大きな騒ぎになりました。女子シングルでのショート、フリーの演技時には、何とも言えない、異様な雰囲気がただよっていました。

団体フリー演技後のキス&クライでの表情は、もちろん全く見られなくなってしまいました。この後にこんな騒動が起きることなど、誰が想像したでしょうか......


Photo by Yohei Osada/AFLO SPORT
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編集=宇藤智子

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