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2022.02.10

再エネの「つくる」から「つかう」まで支援。循環型社会を目指すMUFGのサステナブルビジネスチーム

「自社だけにとどまらず、社会全体の脱炭素に貢献することが私たちMUFGの使命」と三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)サステナブルビジネス部の岡﨑真衣子は言う。その象徴とも言える「Zエナジー」設立のストーリーを紹介する。


Zエナジー設立の記者会見を3人は感慨深げに眺めるとともに、新たな船出に胸を高鳴らせていた。その3人とは岡﨑真衣子、若山浩介、許世可だ。

「世界が進むチカラになる。」をパーパスに掲げ、サステナビリティ経営を推進するMUFGは2019年、ソリューションプロダクツ部内にサステナブルビジネス室を開設した。さらに21年5月には「MUFGカーボンニュートラル宣言」を発表し、50年までの投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出量実質ゼロおよび、30年までの自社の温室効果ガス排出量実質ゼロの達成を目指すことを宣言した。そしてその実現に向け7月、サステナブルビジネス室はサステナブルビジネス部に格上げされた。

9月1日、MUFGほか9社の出資によって設立されたのがZエナジーだ。同社は、再生可能エネルギーファンドを創設・運営することを目的としたファンド運営会社だ。

サステナブルビジネス室の開設から再エネファンドプロジェクトの中心メンバーとしてかかわっているのが、同部企画開発グループの岡﨑だ。岡﨑はプロジェクトチームのミッションについてこう説明する。

「従来、企業におけるサステナビリティは、CSRの文脈で語られることが多く、大規模プロジェクトの環境に対する影響評価など、守りの側面での取組みが先行していたかと思います。一方、近年重視されているESG(環境・社会・企業統治)やSDGs(持続可能な開発目標)には、その理念をどうビジネスに生かしていくかという側面があります。それらを事業計画に組み込み、いかに事業を拡大していくかが重要であり、サステナブルビジネスチームは、攻めも含めたサステナビリティへの転換を目指すことをコンセプトとしています。部になることでその流れがさらに加速し、裾野がどんどん広がってきた感覚があります」

多くの企業を巻き込み脱炭素を加速


再エネファンドの企画がもち上がったきっかけは、MUFGが再エネプロジェクトに出資し、そこから電力の供給を受けることで、自社電源の100%を再生可能エネルギーに転換するという発想だった。しかし、その構想はより大きな枠組みへと広がっていった。

「MUFGが再エネ電力の供給を受けるだけだと、脱炭素への取り組みがMUFGの中だけに止まってしまいます。多くの事業者を巻き込めばより社会に貢献できるのではないかと考え、いまの形になりました。MUFGとしてもいろいろな形でかかわれる機会があると思うので、それを念頭におきながら、スキームづくりを皆さんと一緒に考えています」(岡﨑)

こうしてプロジェクトチームの輪は徐々に大きくなり、社内外からさまざまな知見をもった人材が集められた。ソリューションプロダクツ部投資開発室の若山もそのひとりだ。

20年7月に同部に配属され、グローバルアドバイザリーチームの一員として海外インフラやESGファンドへの出資業務を行ってきた若山は、21年7月から本プロジェクトチームに加わった。Zエナジーが組成する再エネファンドへの出資も担当する。若山はこの1年間、ファンドへの出資業務を通じて、ESGに対する潮流の変化を目の当たりにしてきた。

「出資業務を担当するこの1年間のなかで、ESGファンドや、社会課題の解決を目指すインパクトファンドの話をいただく機会が非常に多くなりました。社会や環境へのインパクトを重要視する大きな動きがファンドにも出てきたことを実感しています」

そうした潮流のなかで、Zエナジーが再エネファンドを創設することになったのだ。その再エネファンドの運営に携わっているのが、Zエナジーに出向している許だ。

許は、19年1月にソリューションプロダクツ部に入り、プロジェクトファイナンスグループに配属された。海外のインフラや発電事業に投資をしたい日本の投資家にアドバイザリーサービスを提供していたが、21年2月から再エネファンドの立ち上げプロジェクトにも携わるようになる。特定の事業からあがる予想収益を基礎に借り入れを行う、プロジェクトファイナンスの視点が必要だったからだ。

「ファンドを立ち上げて投資家様からお金を集める際には、ESGの『E(環境)』に対する取り組みも重要ですが、事業計画も大事です。事業計画を立てるためには、ファンドの投資対象となる再エネプロジェクトがどのようなキャッシュフローとなり、どれくらいのレバレッジが効くかを分析できる知見が必要なため、お声がけいただきました」(許)

やがて許はZエナジーの立ち上げにもかかわるようになり、法人設立とともに出向することになる。許は、投資家から出資を集めるとともに、投資する再エネ発電所の個別案件の検討にも携わっている。

再生可能エネルギーの電力を「つくる」から「つかう」までつなぐファンド

日本のカーボンニュートラルに貢献するファンドとして、再エネ電力を「つくる」発電事業に投資し、そのうえでZエナジーの株主が自社や関係先で再エネ電力を「つかう」までを一気通貫で支援することで、再エネ拡大における課題解決をめざす。

※1 コアパートナーは、特に、ファンド全体の統括を牽引する役割を担うパートナー企業。
※2 General Partnerの略。ファンドの運用主体となる無限責任組合員のことをいう。
※3 LimitedPartnershipの略。GPとファンドの出資者となる有限責任組合員によって構成される。
※4 バーチャルパワープラントの略。多数の小規模な発電所や、電力の需要抑制システムをひとつの発電所のようにまとめて制御を行うこと。 「仮想発電所」とも呼ばれる。
※5 電力需要地の近くに設置された複数の小規模な発電所によって地域の必要な電力を供給する自立・分散型のエネルギー供給システムのこと。

環境だけでなく地域社会にも貢献


Zエナジーが組成する再エネファンドは、既存のESGファンドとは一線を画する。Zエナジーのそれはリターンのみを追求するファンドではなく、カーボンニュートラルの推進に重きを置いている。発電所で電気を発電するだけでなく、生み出された電気の小売り、さらには投資家や関連事業者が使うところまでを一貫して支援する。各社が脱炭素に取り組むことで、日本全体のカーボンニュートラル推進につなげていくことが狙いだ。

また、Zエナジーの再エネファンドに出資することにより、どれくらいのCO2削減につながるかを数値で示すことも計画している。それによって、どれだけ環境に貢献しているかがわかるインパクト投資にもつながる。こうした付加価値をつけることで、MUFGの新たなビジネスにつながることを岡﨑は期待している。

「きっかけは自社電源の再エネ化を目的に立ち上がったプロジェクトですが、お客さまの脱炭素化の打ち手にしていくほうが、MUFGとしてはビジネス面への貢献度が高いと思っています。お客さまへの、脱炭素化に関するソリューション提供を目指しています」

さらにZエナジーはESGの「S(社会)」、すなわち地域社会への貢献も重視している。許が続ける。

「一般的にファンドは、よくも悪くもお金を出して終わりというケースが多いです。その結果、発電所の建設に対して住民の反対運動が起きることがあるのですが、それはお互いのコミュニケーション不足が原因です。そこで安(岡克己)社長は、地元住民との交流を重視しています。例えば前職ではフラメンコダンスの会を開いたことがありますが、そうした活動がコミュニケーションのきっかけになりますし、ひいては地域社会への貢献につながると考えています」

3人が思い描く「世界が進むチカラ」


さまざまな経験を積み、それを買われて再エネファンドプロジェクトに参加した3人だが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。MUFGが再エネに特化したファンド運営会社を立ち上げることは前例のないことであり、さまざまな困難にぶつかった。岡﨑が振り返る。

「それまでの銀行員人生には手続きがあって、それに照らし合わせてどうするかを決めることも多くありましたが、今回のような前例にとらわれない案件においては、法律などさまざまな方の専門的知見を聞きながら進めなければなりません。関係性が非常に多岐にわたるので、難しさを感じました。そういう状況下では、想いを一緒にする仲間をつくっていくことが重要だと思い、進めてきました」

異なるバックグラウンドをもつ仲間が集うことで、チームに化学反応が起きる。しかし一方で、関係者が多くなればなるほど、それぞれの思惑は一致しづらくなっていく。その調整が難しかったと若山は振り返る。

「このプロジェクトには、弊社内におけるさまざまな部署の関係者に留まらず、投資家様なども含め弊社外にも非常に多くの方々が関与されています。関係者が多いなかで、コンフリクトが発生しないように進行方法や利害関係を調整することに苦労しました。あちらを立てればこちらが立たずということが起きるので、全体を見渡したうえでどのようにプロジェクトを進めていくかに頭を悩ませました」

関係者が多いのはZエナジーも同じだ。同社には9社の株主がいるので、MUFGの意向のみに従えばいいわけではない。残り8社の株主の要望にも対応しなければならないことに、許は難しさを感じている。

「9社は、カーボンニュートラルに貢献するという観点では同じ方向を向いていますが、各社が求めるのは、ビジネスや知見の獲得などそれぞれ異なります。それをいかにして調整するかが難しい部分で、試行錯誤しながら進んでいるところです」

こうした困難を乗り越えることでZエナジーは設立にこぎつけた。前例のない取り組みだけに、MUFGグループ内でも反響は大きい。岡﨑によると、Zエナジーの取り組みへの期待から、各社のビジネスとどのようなシナジーが生まれるか、新たな顧客の開拓など協業できる部分があるのではないかという前向きな反応も多かったという。

いよいよ再エネファンドが運営を開始しようとしている。3人は、それぞれが自分の役割を果たすことで「世界が進むチカラ」になる姿を想像する。

若山はZエナジーに限らず、ESGファンドやインパクトファンド等への出資を通じ、SDGsに掲げられる社会課題解決への貢献を目指す。

「MUFGの資金を適切なファンドで活用してもらうことが、いまの私が果たさなくてはいけない大切な役割と考えています。再生可能エネルギーに限らず、SDGsに関係する幅広いセクターを見渡し、出資するべきファンドを見極めていきます。そうすることで、投資家の立場の銀行としてのSDGsへの貢献を推進していきたいです」

許は、Zエナジーの株主9社は得意分野が異なるため、その知見を集約すれば理想的なファンドを運営できると期待する。

「株主9社には、銀行、保険、シンクタンク、製造などさまざまな企業がいらっしゃいます。それぞれの得意分野でサポートしていただけば、ファンド運営はきっとうまくいきます。各社がリソースをもちより、サポートしていただくことで、カーボンニュートラルに向けた取り組みが加速することを期待しています」

岡﨑は、株主としてMUFGがZエナジーに関与することで、波及効果を生み出すことを期待する。

「Zエナジーを株主として支え、運営に関与していくことで、社会課題解決の思いを各拠点の営業担当やお客さまにも伝えていきたいです。Zエナジーを話題にすることで、お客さまがカーボンニュートラルに対してどう考えているかを引き出せるきっかけにもなります。そういった輪を広げることでカーボンニュートラルを促進し、さらには新しいビジネスにつながればいいと思っています。ファイナンスに限らず、新しい価値を提供できるようなサービスをほかの部署と一緒につくっていきたいです」

サステナブルビジネス部のミッション

MUFGのサステナブルビジネスにおけるグループ・グローバルのハブとして、環境社会課題の解決とビジネスの両立をめざす。



左上:日本郵船のトランジション戦略実現を支援。本邦初のトランジションボンドを引受。右上:東京ポートシティ竹芝開発プロジェクト。サステナビリティローン形式の不動産ノンリコースローンを締結。左下:英国電力需要の約5%分を供給するDogger Bank(ドッガーバンク)風力発電プロジェクト。右下:アラブ首長国連邦Al Dhafra(アブダビ)の太陽光発電プロジェクトへのファイナンス組成。


岡﨑真衣子◎三菱UFJ銀行 サステナブルビジネス部 企画開発Gr 2013年入行
入行後、渋谷支社、日本橋中央支社を経て、コーポレート情報営業部 官民連携Grへ。2019年にソリューションプロダクツ部 サステナブルビジネスチームへ配属。同チームが21年7月にサステナブルビジネス部に改組。現在は同部企画開発Grにて新規プロジェクトに従事。

若山浩介◎三菱UFJ銀行 ソリューションプロダクツ部 投資開発室 2011年入行
入行後、蟹江支社、目黒支社を経て、2016年6月よりコロンビアで半年間のスペイン語語学研修を修了。その後、ニューヨーク支店 ボゴタ出張所 兼 リマ出張所 兼 カラカス駐在員事務所駐在。20年にソリューションプロダクツ部配属となり、現在は同部投資開発室勤務。

許 世可◎Zエナジー(出向)2016年入行
入行後、新宿新都心支社勤務。2019年よりソリューションプロダクツ部に配属。プロジェクトファイナンス企画総括、グローバルアドバイザリー、再生可能エネルギープロジェクトファイナンスを歴任。サステナブルビジネス部の立ち上げに参画したのち、21年より現職。
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Promoted by MUFG / text by Fumihiko Ohashi / photographs by Takao Ohta / edit by Akio Takashiro

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