1995年、現オーナーの父でタイの元副首相、ブンチュー・ロジャナスティン氏によって創立されたチバソムは、バンコクから南に車で約3時間の避暑地、タイ王室の夏の宮殿もあるホアヒンにある。自分の別荘周囲の土地を取得し作った優美なリゾートだ。
その志を受け継いで現在経営にあたる息子クリップ・ロジャナスティン氏は、これまで様々なオファーを受けつつも、姉妹リゾートはつくってこなかった。そんな中、なぜカタールで「ズラル」を始めたのか。それはどんな場所なのか。カタールの持つポテンシャルと合わせて、話を聞いた。
──コロナ禍で健康への意識が高まる中、人々のウェルネスについての考え方は変わったと思われますか? 変わったとすれば、どのように変わったと思われますか?
パンデミックにより、人々の衛生や安全性に対する基準がより高くなったと思います。また、サステナビリティについて配慮をしている場所で時間を過ごしたいと、より感じるようになっているように思います。
チバソム会長兼CEO クリップ・ロジャナスティン
──クリップさんの考える「健康」とはどういった状態でしょうか?
「健康である」というのは、免疫力が高く、バランスが取れているということ。心と体をないがしろにすれば、免疫力は下がってしまいます。それは、とてもホリスティックな(包括的な)意味も持っています。例えば、世界の環境が汚染されていて、身の回りのコミュニティが様々な意味で虐げられていれば、それは健康ではないと思います。
チバソムもズラルも、スパ、フィットネス、栄養(食)、理学療法、ホリスティックヘルス(伝統医学など)、美容医療スパといった様々な角度から健康を追求していますが、それに加えて、私たち人間だけでなく、地球もサステナブルで健康であるかを考えなくてはならないと思っています。