2021年の米国の「銃販売数」は1990万丁、約2万人が銃で死亡

Joe Raedle/Getty Images

2021年にアメリカで販売された銃器の総数は2020年との比較で12.5%減少した模様だ。しかし、銃の所有に対する関心は依然として高い状態にある。

FBIの身元調査データを使って銃の販売台数を推定するコンサルティング会社のSAAF (Small Arms Analytics and Forecasting)によると、2021年の銃の販売数は1990万丁で、2020年の記録の2280万丁には及ばなかったものの、2016年の1670万丁を大きく上回っていた。

米国の銃業界は昨年、国民100人あたり約6丁の銃を販売したことになる。

2021年の月ごとの販売台数では1月が最多で220万丁以上が販売されていた。また、12月は190万丁で、前年同期比で6.1%の減少だった。

SAAF によると、2020年の銃の販売数は2019年を64%近くも上回る空前のレベルに達していた。この理由としては、政治を取り巻く状況とパンデミックの影響が考えられている。2020年初頭には、新型コロナウイルスによる混乱が人々の不安を煽り、全米を抗議活動が吹き荒れた夏にも銃の販売数は上昇していた。

一方で、昨年は新型コロナウイルス関する懸念がやや薄れたことで、銃器への関心が弱まったと考えられる。しかし、全米射撃協会(National Shooting Sports Foundation)のデータでは、2021年上半期に約320万人の人々が初めて銃を購入しており、需要がまだ衰えていないことが示唆されている。

パンデミックの間には、銃による死亡者数も急増していた。米国での銃による暴力事件を集計するサイトの「Gun Violence Archive」によると、2021年には2万726人が銃による殺人(自殺は除外している)や不慮の事故で亡くなっており、この数字は2020年(1万9486人)や2019年(1万5468人)を上回っていた。

また、米国では昨年、4人以上の負傷者を出した銃の乱射事件が693件も発生し、その件数は2020年(611件)と2019年(417件)を上回っていた。

銃規制を推進する人々は、銃販売の増加が人々のリスクを高めることを懸念している。しかし、銃規制に反対するグループは、ほとんどの銃犯罪は正式なルートで購入された銃ではなく、違法に入手された銃や中古の銃によって行われていると主張している。

編集=上田裕資

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