SF的思考をビジネスに活かす「Sci-Fiプロトタイピング」とは?

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田丸:妄想や空想からのトレーニングをしましょうか。長岡さんのお好きなものは何ですか?

長岡:ウイスキーが好きです。

田丸:では、ウイスキーから連想される言葉を3つ挙げて下さい。

長岡:スモーキー、氷が丸い、バーボン。

田丸:それでは、「目薬」をキーワードに、この3つと目薬を繋げてみて下さい。

長岡:「丸い氷」から、「溶けだしていく目薬」。

田丸:いいですねぇ!僕はなんとなく目薬を作る製氷機というイメージが浮かんできましたが、それはさておき、この言葉からすでに何かがはじまりそうな予感がビシビシと伝わってきますよね。こんな感じで、たとえば言葉を組み合わせてみるだけで新しい発想につながっていきます。

入山:SFってまだ来ていない未来を飛躍させる事ですが、長岡さんみたいに、日本人がインドの現実を見た事で、SFとは違った、新しい発想が生まれたんだと思います。

奥田:自分が日本ではなく他の地域に存在したらどうなっているんだろうか?と空想しています。あと、300年前にいたらどうなんだろう?とかも。つまり、空間軸・時間軸を変えて自分の思いを馳せてみる。

田丸:宇宙飛行士は、飲み物をストローで摂る。すると目薬をさす時には、どうやるんだろう?とか空想してみる。

長岡:社内でも、新しい目薬のアイディアがさかんにされていますが、技術面から考えると限界があって。でも、SF的な発想から考えると、アイディアが柔軟に浮かんできますね。今日の皆さんとの会話で、「Sci-Fiプロトタイピング」を意識しながら、実走出来るところまでいける発想の広げ方が大切だな、と思いました。

入山:多くの企業でも、こういった考え方が広がっていければいいのかも知れませんね。

文=中村麻美

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