インドネシアのフィンテック分野は、Bank Central AsiaやGoToなどの参入が相次いでいるが、WeLabの共同創業者でCEOのSimon Loongは、競合の多さを前向きに捉えている。
「この市場の規模は巨大で、勝者総取りの状況にはならない。また、デジタルバンキング分野はまだ初期段階にあるため、明確な勝者が存在しない」と彼は述べている。
WeLabは2020年に香港で初のデジタルバンク「WeLab Bank」を立ち上げ、約15万人の顧客を抱えている。同銀行の最も人気の商品は「GoSave」という定期預金で、顧客が増えるにつれて利息が高くなる点をアピールしている。WeLabは、インドネシアでも同様の銀行ビジネスを展開する予定という。
WeLabはすでにインドネシアで存在感を示しており、2018年に自動車販売会社のAstra Internationalと合弁会社を設立し、300万人以上のユーザーを抱えるオンライン融資アプリ「Maucash」を運営している。また、WeLabの出資元のアリアンツは、インドネシアで65万人以上の顧客を抱えている。
コンサルティング会社マッキンゼーの昨年の調査で、インドネシアの顧客の約78%がデジタ銀行のアクティブユーザーであり、2017年の57%から増加していた。さらに、回答者の80%がパンデミックの収束後もインターネットバンキングの利用を維持する、もしくは増加させると回答していた。
「今後数年間は、汎アジア的なデジタルバンクの構築に注力する」と語るLoongは、タイとベトナムへの進出も視野に入れていると語った。
WeLabはまた、年内の上場を目指しているが、同社の上場は市場のボラティリティの高まりを受けて延期されていた。「当社に対する信頼は、以前よりもさらに高まっている」とLoongは話した。