テクノロジー

2022.01.29 08:00

2022年、どこまで進む翻訳技術。グーグル翻訳超え「DeepL」の進化

DeepL翻訳アプリのアイコン。他アプリと共有機能で連携できる。

DeepL翻訳アプリのアイコン。他アプリと共有機能で連携できる。

機械翻訳においてもはや鉄板となっているグーグル翻訳だが、その精度を遥かに凌ぐ技術との呼び声が高いのが、DeepL翻訳だ。
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読者諸氏のなかにも、すでにDeepLを利用しているという人は多いだろう。だがもし、「ブラウザベースに翻訳したい文書をコピペして貼り付ける」という基本的な方法でしか利用していないのであれば、非常にもったいない。

DeepLの近年の飛躍ぶりは想像以上だ。機械翻訳を利用する多くの人にとって、知っておかずにはおけない改善、革新の例を以下に紹介する。


提供開始からわずか数年 「用語集」など新機能も


DeepLは2017年8月に独スタートアップが提供を開始した自動翻訳サービスで、現在は26言語に対応している。これは100言語以上に対応しているグーグル翻訳に比べると少ないが、一般的な翻訳には十分な言語が揃っている。
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同サービスが好まれる最大の理由は、その正確さだ。直訳的でない、あくまでも自然な文脈で翻訳することができる。

無料版の基本的な使い方はグーグル翻訳とほぼ同じで、スマホやパソコンのブラウザベースでDeepLのサイトにアクセスして利用できる。ただし無料版では、一度に翻訳できる文字数は「5000字まで」と限りがある。

2020年5月には、新機能「用語集」も追加された。これにより、ユーザーがカスタム用語を設定し、同翻訳機能に語句の訳し方を指定できるようになった。同機能は現在、日本語対応はしていないが、DeepLの公式HPには「近日中に他言語も追加予定」との記載がある。

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DeepL翻訳の右上にある「用語集」をクリックした際の画面。オリジナル用語集を作成する手順:1.DeepL翻訳の右上にある「用語集」をクリック→2.用語集の言語ペアを指定→3.訳し方を指定したい原文中の語句とその訳語を入力→4.用語ペアとして追加

アプリ版では「画像・音声翻訳」も


iOS/iPadOS版アプリの進化は特にすごい。2021年4月に提供が開始された今回のアプリ版では、「コピペして翻訳する」だけではない、アプリならではの機能が実装されている。

まず、文章の入力方法にいくつかの選択肢が用意された。1つは、他アプリのテキストを選択した状態で、DeepLアプリと共有機能で連携する方法だ。これにより端末画面に共有シートが現れ、選択したテキストをシートに自動で貼り付けて翻訳してくれる。

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他アプリと共有機能で連携

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「共有シート」が出現。テキストが自動で貼り付けられ翻訳される。

もうひとつは、端末のストレージにある文書ファイルを、好きなショートカットキーで瞬時に読み込み翻訳するという方法だ。どちらの方法によっても、「コピペして貼り付ける」時間と労力が省ける。

アプリ版では、画像読み込みと音声認識にも対応している。「画像読み込み」には、画像に含まれたテキストを自動で読み込み翻訳する「画像翻訳」と、カメラで直接テキストをスキャンして翻訳する「カメラ翻訳」(iOS 15のみ)がある。

「音声認識」では、端末のマイクに聞かせた音声が音声認識によって文字起こしされ、起こされたテキストが自動で翻訳される。

「代替翻訳」機能もある。短いフレーズに関しては代替オプションが複数提案され、その時々のシチュエーションにぴったりのものを選択できる。

いつ・どこでも手軽に利用できるのがアプリの強みだが、今回のアプリ版の中身はまさにアプリとしての使い勝手の良さを存分に活かした内容だと言える。また、アプリはMac、Windows版も含めて完全無料だ。
次ページ > PDF翻訳 「元の書式や画像ママに」も対応

文=長谷川 寧々 企画=石井 節子

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