2022年、どこまで進む翻訳技術。グーグル翻訳超え「DeepL」の進化

DeepL翻訳アプリのアイコン。他アプリと共有機能で連携できる。


PDF翻訳 「元の書式や画像ママに」も対応


PDFファイルの翻訳も可能となった。PDFファイルをアップロードし、翻訳したい言語を指定すると、翻訳されたPDFファイル全体が出力される。ただし無料版では、翻訳されたファイルを編集することはできない。

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DeepL翻訳「ファイルの翻訳」画面

ちなみにウェブ上の翻訳ツールとAPIでのPDF翻訳では、「書式や画像は元の状態を維持したまま」PDFファイル全体が翻訳される。デスクトップアプリでは、元のフォーマットは維持されないまま翻訳される。

ほか、Word(.docx)、PowerPoint(.pptx)、テキスト(.txt)、HTML(.html)のファイルも丸ごと翻訳が可能だ。

有料版は月額750円〜 APIの提供も


国内向けに、有料版「DeepL Pro」の提供も開始した。個人・法人向けに3つのプランがあり、月額750円から用意されている。

有料版では主に文字数制限の解除や、セキュリティが強化されるといったメリットがある。

また、前述で紹介したファイルの翻訳に関しては、無料版では「1カ月3ファイル、5MBまで」の上限があるが、有料版ではプランにより5~100ファイルまで翻訳できる。さらに、翻訳後のファイルは編集が可能だ。

その他、登録できる用語集の数が増えたり、語調の切り替え(敬称/親称)もできるようになる。主要な翻訳ツールにDeepLを組み込むこともでき、仕事で翻訳に携わる人や、チーム・組織で活用するには最適なプランといえる。

さらに、ソフトウェア開発者向けに、プロダクトやプラットフォームにDeepL翻訳を直接組み込める「DeepL API」プランも提供している。

通訳デバイス「ポケトーク」も翻訳エンジンに採用


母国語のまま共通言語の異なる相手と会話ができるAI通訳機「POCKETALK(ポケトーク)」は、2021年11月からのアップデートより、検索エンジンの一部にDeepLを採用すると発表した。今回のアップデートによって、より高精度な翻訳が可能となる。
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文=長谷川 寧々 企画=石井 節子

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