レッドウッド・マテリアルズは、すでにパナソニックからスクラップや使用済みの電池部品を回収し、リサイクルしているが、今年は、ネバダ州スパークスのテスラのギガファクトリーでパナソニックが製造するリチウムイオン電池向けに、銅箔の供給を開始する予定であると1月4日のCESで発表した。
パナソニック・エナジー・ノースアメリカ社長のアラン・スワンは、「スクラップや古い電池を再利用することで、当社は持続可能な生産の目標を達成することができる」と述べた。
「レッドウッドは、米国でEVやクリーンエネルギー製品の循環型サプライチェーンを構築し、それらをより持続可能なものにし、電池のコストを下げている。当社は、今年の終わりまでに、レッドウッドが製造した銅箔を、バッテリーの製造工程に取り込もうとしている」とスワンは述べた。
レッドウッドの創業者のJB・ストラウベルは、長年にわたりテスラのCTOを務める中で、コバルトやリチウム、ニッケル、銅などの採掘が環境に与える影響を懸念するようになり、2017年にテスラに勤務しつつレッドウッド社を設立した。彼は2019年にテスラを辞め、レッドウッドの事業に専念している。
ギガファクトリーに近いネバダ州カーソンシティに拠点を置くレッドウッドは、EV用バッテリーの需要が高まる中、リサイクル事業を拡大するために約8億ドル(約930億円)を調達し、使用済みバッテリーやバッテリースクラップの回収を進めてきた。
レッドウッドによると、同社が製造した銅箔を用いるパナソニックの取り組みは、電池をリサイクルして再生産し、同じ工場に戻す「クローズドループ」の電池生産プロセスとして初めての試みという。
レッドウッドは昨年9月、10億ドル以上を投じて、2025年までに大規模な工場を米国内に建設すると発表していたが、その場所はまだ明らかになっていない。
パナソニックは現在、テスラの工場で年間約20億個のバッテリーセルを生産している。「自動車の電動化が進む中で、当社は今後の10年間で5倍の成長を見込んでいる」とスワンは述べた。