レジリエンスよりも重要な「メンタルフィットネス」

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困難な状況からの回復力を意味する「レジリエンス」は、幸福度を上げる上で極めて重要なスキルだ。グーグルの検索サイトでは2020年半ば、このレジリエンスという言葉の検索件数が急上昇し、新型コロナウイルスの流行が影響したとみられている。コロナ禍の中では、誰もがネガティブな感情に対処する方法を模索していた。

しかし、レジリエンスよりももっと効果的なものがある。それは、「メンタルフィットネス」だ。

メンタルフィットネスとは、リアクティブ(反応的)ではなくリアクティブ(先見的)なアプローチだ。悪い状況になってから対処しようとするのではなく、毎日ジムへ通って筋肉をつけるように、自分の脳を鍛えて精神力を強化するという考え方だ。

例えば「1年後までに逆立ちができるようになるように」と言われたら、365日間何もせずぶっつけ本番でやろうとしても、無理だろう。成功するためには、ウエートトレーニングや壁を使った倒立などで毎日練習し、筋肉をつけて準備するのが普通のやり方だ。

繰り返し鍛錬することで、成功率は飛躍的に高まる。脳も筋肉と同様に強化できるものだと考えると、よりポジティブでプロアクティブな思考をもって逆境に対処できるようになるだろう。

以下に、メンタルフィットネスを高めるためにすべき3つのことを紹介する。

1. 負の感情に襲われたら立ち止まり、その感情を分類する

例えば、同僚と重い内容の会話をしている時に、突然胸が締め付けられるような感覚に陥ったら、一度立ち止まり、「この感情は何だろう。体のどこで感じているのだろう」と自問すること。それは不安という感情で、胃や胸で感じているのかもしれない。このように、感情を分類することで、自分がネガティブな感情の「観察者」となり、その感情から距離を置くことができる。

2. 「ミニ・マインドフルネス」を行う

何も、暗い部屋にこもって30分間瞑想(めいそう)をすることだけがマインドフルではない。少しの間だけ自分の呼吸と身体に集中するだけで、コルチゾールやアドレナリンの分泌レベルは下げられる。「Calm」や「Positive Intelligence」、「Headspace」といったアプリも役に立つ。
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編集=遠藤宗生

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