モナハンはベストセラー本を2冊執筆し、2022年世界基調講演者トップ50(Top 50 Keynote Speakers in the World 2022)に選ばれ、TEDx(テデックス)で講演したりポッドキャストの司会を務めたり、起業家として働いたりする前から、メディア系大手企業の最高売上責任者(CRO)として非常に大きな成功を収めていた。
しかし、その状況に変化が訪れた。
新たに上司になった臨時の最高経営責任者(CEO)は、Cスイート(経営トップ層)の中でモナハン以外に唯一の女性で、モナハンのことを軽蔑しているようだった。新たな上司に解雇されたときは彼女にとってどん底の時期で、当時の彼女は10歳の息子を持つシングルマザーだった。この「悪役」の存在により、モナハンは自信を失った。
「解雇されたとき、全てを失ったように感じた」とモナハン。「しかし実際に私が失ったものは給料だけで、ビジネスの才覚や広範な人脈、ユニークな価値提案は失っていなかった」
モナハンは転換的な気づきを得たことで、この出来事について考え直すことができた。彼女は「あの日、彼女は私を解雇したと思ったが、私は実は自分にとっての悪役を解雇したのだ」と述べている。
モナハンはそれでも困難な時期を乗り越える必要があった。応援してくれる友人に促され、過去の困難を乗り越えたときのことについて書き出し、それをさらに探っていくと明確なパターンが見えた。成功への実証済みの道のりだ。
この結果生まれたのが、モナハンが「BAK」と呼ぶ強力な3つのステップだ。これは、Beliefs(考え)、Actions(行動)、Knowledge(知識)の頭文字を取ったものだ。
1. 考え(Belief)
私たちが真実として受け入れているセルフトーク(独り言)や、その他心の中で言い聞かせるメッセージが含まれる。こうした考えや主張は良い影響も悪い影響も与え得るが、それを見極め、強化するか排除するかは自分で決められる。
またモナハンは、他者があなたに関して抱いている制限的な考えに耳を傾けるのではなく、その主張を覆し、反対のことをすることを勧めている。「自分が行きたい方向に到達したことがない人からの指示は絶対に聞かない」とモナハンは主張している。