アリーン(Arene)と呼ばれるトヨタのオペレーティングシステムは、安全システムや交通情報をモニタリングし、ハンドルやブレーキなどの基本的機能や、自動運転などの先進的機能の制御を行うとされている。トヨタは、このシステムを他の自動車メーカーや、EV(電気自動車)や自動運転車両を開発するスタートアップに提供することを検討しているとNikkei Asiaは報じている。
アリーンは、フォルクスワーゲンが発表予定の「VW.OS」や、ダイムラーが2024年に立ち上げを予定している「メルセデス・ベンツ・オペレーティング・システム」に対抗するシステムに位置づけられるとロイターは報じている。
車載用ソフトウェアは、電気モーターやバッテリーの性能を管理したり、ナビゲーションやエンターテインメントなどの高度な機能を管理したりするなど、自動車の設計においてますます重要な役割を果たしつつある。
自動車メーカーは以前は、ソフトウェアの多くをマイクロソフトやグーグル、ブラックベリーなどの企業からのライセンスに頼っていたが、EVや自動運転車の普及に伴い、OSを内製化する企業が増えている。さらに、ウェブドッシュ証券のレポートによると、アップルは2025年までにアップルカーを市場に投入する見通しで、テクノロジー企業の自動車分野への参入が加速している。
アリーンを採用した車両は、車種やメーカーを問わず、共有機能を利用できるようになる。ドライバーはオンラインでソフトウェアをアップデートすることができ、車の性能を素早く向上させることができるようになるとNikkei Asiaは報じている。