スティックスが何よりも重視しているのは、顧客が自信をもって健康に関する意思決定を下せることだ。我々は創業当初から、顧客の声を聞き、顧客が本当に必要としているものをつくりだしてきた。パンデミックのあいだも、我々はこの原点に立ち返った。顧客の声を聞き、方針転換し、また声を聞き、また方針転換し......その繰り返しだ。
どの企業もそうだが、我々も、パンデミックの影響でサプライチェーンの問題を抱えた。主な問題は2つあり、ひとつめは船便の遅延だ。これに関しては、サプライチェーン部門とオペレーション責任者が、とてもいい仕事をしてくれた。一部の商品を空輸し、またサプライヤーと協議したうえで、少量ロットでの生産をおこなった。これらは長期的な解決策ではないが、顧客が最も必要とするコアプロダクトを確保することができた。
もうひとつの大問題は、パンデミックによる工場や倉庫の閉鎖で、原因は、新型コロナウイルスへの感染などによる労働力不足だ。しかし、カンジダ症治療薬の在庫を切らすわけにはいかない。クリエイティブになる必要があった。
新商品の発売日を先送りし、一部商品の内容量を変更して、必要とする商品を誰もが手に入れられるよう配慮した。もちろん、社員の安全を優先しつつ対応した。
将来についていえば、パンデミックや世界経済、サプライチェーンの動向には、不確定要素がまだまだたくさんある。しかし、この1年半で我々が学んだ教訓は、今後どんな新たな課題に直面した時にも指針として役立つだろう。