世界が熱狂するK-POPの快進撃。「ファンダム」から読み解くマーケティングとは?

2019年NYセントラルパークでパフォーマンスするBTSを見守るファン(Getty Images)


実際に、パンデミック以降初のBTSオフラインコンサートが2021年11月から12月に開催されたが、最終日はヴァーチャルコンサートとのハイブリットで行われた。Twitterでは「コンサート会場に行けなくても、応援できるから寂しくない」といったファンのツイートが見られるなど、コンサートに参加する喜びやファンダムの一体感をリモートで叶えていることがわかる。

世界中にいるK-POPのファンは、グローバルなファンダムとしてひとつのつながりを持つことを期待していると言われる。アーティストとファンだけでなく、ファンとファンが繋がる場所として、こうした一体感をもたらしてくれるデジタル技術がさらに重要視されていくのではないだろうか。

ポストパンデミックでも、世界中のファンをつなぎ、ファンダムをひとつにするヴァーチャルコンサートは、最新技術を取り入れ進化し続けながら、新たなエンターテイメントの体験をもたらしてくれるに違いない。

世界各地のファンとアーティストを繋げるコンテンツ


K-POPのオリジナルコンテンツ配信と、Eコマースのプラットフォームhello82を運営するKAI Mediaは、世界中のファンとK-POPスターをダイレクトにつなぐコンテンツ作りの考え方を紹介した。

K-POPをグローバルにプロモーションするプラットフォームを成功させる戦略のひとつとして、世界各地にいるファンがK-POPアーティストに何を求めているかを理解し、コンテンツに反映していくことが重要だという。

hello82は、英語はもちろん、スペイン語、ポルトガル語、アラビア語、インドネシア語、日本語で展開しており、そのオリジナルコンテンツは、韓国語のK-POPコンテンツをただ各国の言語に訳すというローカライズではない。世界の各地域のファンに向き合い、そのファンが住んでいる地域のカルチャーの文脈をしっかり入れて作られるそうだ。

例えば、スペイン語を話すファンに向けてのオリジナルコンテンツは、K-POPスターたちがスペイン語でゲームを楽しむといった企画をはじめ、K-POPと世界のカルチャーがコラボし、各国のファンを夢中にさせるユニークで新しいコンテンツが展開されている。

こうした世界各地のファンに向き合い丁寧に作られたオリジナルコンテンツは、ファンダムをより一層熱狂させる。実際に、hello82のYOUTUBEチャンネルは、平均より2〜3倍エンゲージメント率が良かったそうだ。

K-POP
(Getty Images)
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文=田辺敦子

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