リアルな特典と結びつける
岩瀬:NFTは転売するのが目的のように思われがちですが、商品を1回売り買いして終わりではなく、継続的なコミュニティの醸成が重要となっています。例えば、ファン同士で、お互いのコレクションを見せ合い、語り合えるような場所を作ることができたら良いなと。
将来的にはグローバルのヤンマガファンコミュニティができ、世界中のファンがああだこうだと、作家さんや作品について話し合えるプラットフォームになったら面白いなと思っています。NFTを、目的ではなく手段として活用し、新しい読者体験を作っていきたいです。
実際、音楽の分野ではその可能性が見え始めています。
コレクションでは、Discordというプラットフォームを使って、参加してくれているアーティストがそれぞれのコミュニティを作っています。興味があれば誰でも入れるようにしていて、活動のお知らせはプレスリリースではなくDiscord上で出す。そんな慣習も形成され始めました。
作品や活動に対して、“スーパーファン”みたいな方が、フィードバックやコメントをくれる。それはマンガにも向いてるような気がしています。
鈴木:良い雑誌は、読者と一緒に作品を育てていく雑誌だと昔から言われています。典型的なのが「ジャンプ」で、連載を継続するか否かは読者アンケートで決めています。
撮影=林孝典
自分が応援したい作家がいたら、連載を続けてもらうため編集部にアンケートを送る。そうやって読者を巻き込むサイクルができているんです。これはそのままNFTでできるのではないかと期待しています。
マンガと同時に、ヤンマガのグラビアも間違いなく相性が良いんじゃないかと直感的に思っています。