美ボディーなマツダCX-5 乗り心地やオフロードの走りを大幅改良

マツダ CX-5 スポーツアピアランス


今回、主にリポートするのは、代表的なソウルレッド色のスポーツアピアランス。そのホイールアーチはグロスブラックに変更し、テールライトが長くなり、より存在感を増しているので、全体的に見栄えが良くなり、精悍な印象を与える。また、細かいところだけど、グリル内の右上に小さなダイアモンドの形に4つの赤いグリルアクセントをマツダらしく足している。

グリルアクセントの写真

感覚としては、女性がドレスの色に合わせたネックレスか、男性がスーツに合わせた腕時計みたいなものじゃないかな。とにかくお洒落! 今回はいつものソウルレッドのほかに、より大人っぽい新色のジリコンサンド色も追加された。

内装は先代とはほとんど変わっていない。唯一、追加されているのが、センターコンソールのMi-Drive(ミードライブ)というスイッチ。これもまた、さりげないスイッチだけど、オフロードに行った時に重要な役割を果たしている。今までのノーマルとスポーツモードに加え、新たに「オフロードモード」が設定された。その性能がテストできるように、激しいオフロードを再現する凸凹な道が用意されたので、そこを走ってみる。

シフト部分の写真
シフトレバーの近くに物理スイッチでオンオフする「Mi-drive」

センターモニターの写真
大型化されたセンターディスプレイ。360°ビュー・モニターは全車種で標準装備。

フロントタイヤが浮いて空転してしまっても、「ミードライブ」で「オフロード」を選ぶと、フロントタイヤに伝達されるべきトルクが他のタイヤに移り、簡単に脱出できるようになる。

CX-5は大幅改良ということだけど、エンジンは変わっていない。2.5LのスカイアクティブGのガソリン仕様と、2.2LのスカイアクティブDのディーゼル・ターボ仕様が用意されている。僕が乗ったガソリン仕様は、190psや252Nmのトルクを持ち、パワー的に力強いとは言えないけど、十分と言える。6速ATとの相性が良くて、シフトショックは少ないのが気持ちがいい。正直なところ、5人の大人とラゲージスペースを荷物いっぱいの時を考えると、多少パワー不足かなというイメージだ。FFも4WD仕様もあるけど、FFの場合は13.8km/Lと燃費はまあまあ良いと思う。

ハードウェア的な部分では、今までちょっと不足していたところが随分と良くなった。乗り心地、静粛性、コーナリング性能も全て向上している。乗った瞬間にすぐわかるほどだ。サスペンションのダンパーやバネ特性を見直し、ボディに対する収束をよくした。そのおかげで、多くの効果を得ている。例えば、ボディ振動はなくなったし、静粛性もかなり向上した。また、リアの突き上げが消え、全体的に走りが安定した。そのほか、静粛性にも効果的だし、クルマの走りの安定性を保証するGベクタリング*のコントロール性もよくなっている。
* ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させることで、これまで別々に制御されていた横方向と前後方向の加速度(G)を統合的にコントロールし、4輪への接地荷重を最適化してスムーズで効率的な車両挙動を実現する制御技術。

それに最近、シートの構造や座り心地やサポート性に力を入れるているマツダだけど、今回も座面のウレタンを変えることで、より正しい着座を実現できているし、猫背にならないように抑制するし、何よりもシートの横揺れも抑えたのが嬉しいことだ。

CX-5はマツダのNo.1セラーだけど、今回の大幅な改良で強力なライバルと勝負できる。デザインやボディカラーはもとより、静粛性、乗り心地、そしてオフロードの走りもかなり向上した。ということで、CX-5はますますクラスの先頭を走るのではないだろうか?

国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら

文=ピーターライオン

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事