「私たちの世代が変えるしかない」11歳の環境活動家の覚悟

撮影=曽川拓哉

小学生や中学生という年代から、起業や高度な研究にチャレンジする子どもたちがいる。彼らはどのように才能を開花させてきたのか。そのストーリーに迫る連載「U15 才能開花の原点」。

今回は、ヴィーガンで環境活動家のGreen Akari、11歳。彼女は小学6年生にして、自身の通う学校やSNS、所属する活動団体などで、気候変動やヴィーガンについて頻繁に発信を行っている。

ちなみにGreen Akariは彼女のハンドルネームで、もちろん「Green」という言葉は、地球環境問題を語る際のシンボルカラーに由来しているするものだ。

精力的に活動をしているが、それに対して誹謗中傷を受けたり、発するメッセージについて聞く耳を持ってもらえなかったりなど、日々苦悩の連続だという。それでも彼女は「私たちの世代が変えるしかない」と意志を強くする。


Green Akariが、環境問題へ興味を持つきっかけとなったのは、自身がアトピーを発症したことによる。病院での治療を受けながら、野菜を中心とした「菜食」にすることが症状の改善に効果的であることを知った。

アトピーや菜食について、さらに深く知ろうとWeb上で調べるなかで、彼女は次々と興味深い人物や知識を知ることになる。

なかでも最も影響を受けたのがジェイソン・コリンズ氏だった。環境問題やヴィーガンについてインスタグラムで発信を行っている青年だ。

「畜産には広大な土地が必要で、それを確保するために森林を燃やすことで多量の二酸化炭素が排出され、地球温暖化を進める要因になっている」「石炭による火力発電から自然電力に移行するパワーシフトが気候変動抑制に効果的で」

これらはジェイソン氏の投稿から学んだことだ。

またスウェーデンの18歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリが発信した動画を視聴して、温暖化が原因で北極の氷が溶け、ホッキョクグマの生息地が無くなったり、生態系が崩れ始めたりしていることを知った。

環境活動家
撮影=曽川拓哉

さらに環境NGOグリーンピース・ジャパンの「あと4年、未来を守れるのは今」というキャンペーンは、すぐに行動を始めなければいけないと、彼女の気持ちを掻き立てた。

ちなみに、このキャンペーンは、パリ協定で掲げられている「産業革命以降の気温上昇を1.5度に抑制する」という目標達成のためには、2025年までに対策を始めなければ手遅れになってしまうと訴えるものだ。

大人たちが守ってくれないから


Green Akariは、こうした多方面から情報を収集し、「私も未来を変えたい、みんなに伝えたい」と思うようになったという。

そこで起こした彼女の最初のアクションは、通っている学校での発信活動だった。
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文=露原直人 撮影=曽川拓哉

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