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2021.12.27 10:00

「離職率40%超え」を立て直した原動力|グッドパッチ 土屋尚史 #1

グッドパッチCEO 土屋尚史 (提供=DIMENSION NOTE)

「デザインの力を証明する」をミッションに掲げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)に欠かせないUI/UXデザインのリーディングカンパニーとして存在感を高め続けている株式会社グッドパッチ。2020年には東証マザーズ上場も果たした。そんな同社を牽引する代表取締役社長/CEO 土屋尚史氏に、起業家にとって重要な素養、成長事業の創り方などについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの伊藤紀行が聞いた(全4話中1話)


──起業家にとって重要な素養を3つ挙げるとするとなんでしょうか?

1つめは「本質を見極める力」。本質的に重要なものと、そうでないものの見分けがつけられる力です。

2つめが「真摯さ」、3つめが「諦めない心」。

3つとも一般的によく言われる平易な言葉のように思えるかもしれませんが、9年間の経営者人生を振り返るとこの3つの素養によって今の自分があると感じています。

──この3つの素養を土屋さんはどのように身につけられたのでしょうか?

1つめの「本質を見極める力」については、圧倒的な「多方面からのインプット量」によって身につけたように思います。

私は若い頃から会社や起業家の情報を集めるのが好きで、彼らがどのようにして成功したのかという情報を絶えず収集し続けてきました。またビジネスだけでなくテクノロジーやデザインについても、インプットや実体験を数多く経てきました。

成功している起業家で「多方面からのインプット」を怠っている人を見たことがありません。成功している人はみな、広範囲にわたってインプットをし続けています。

「本質を見極める力」というのは、言い換えると「バイアスを見極める力」。つまりは一つの事象をいろんな方向から見れる力ということです。思考や判断に特定の偏りをもたらす思い込みなどがないか、多角的に物事を見れるからこそ、本質を見極めることができるようになるのだと思います。

デザイン会社として「上場」を目指した理由


──「本質を見極める力」はどのように会社経営に活かされていますか?

デザイン会社の仕事は「仕様が決まったものを綺麗に作ること」だと思われていた中で、グッドパッチはそれがデザインの本質ではないことを創業初期から見極めていました。

むしろそうやって世の中のデザイン会社が付加価値の低い仕事を続けることによって「デザインの価値」が本質よりも低く見られ、結果的にマーケット全体やデザイナーの市場価値も成長していないと考えていたのです。

なぜこのような視点を持てたかというと、創業者の私がデザイナーではなくビジネスサイド出身で、営業やテクノロジーなど様々な視点からデザインの持つ価値を見られたからです。
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文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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