人気のマインドフルネス、大半は正しく実践できていない?

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実践している人たちの多くは、マインドフルネスは自分が抱える問題を回避する方法だと捉えているという。だが、論文の共著者で、オンタリオ州にあるウォータールー大学のイーゴー・グロスマン教授(社会心理学)は、次のように指摘する。

「科学的に解釈すれば、マインドフルネスは単なるストレス解消の方法ではない。積極的にストレス要因に向き合う意志も必要とするものだ」

つまり、真のマインドフルネスとは、ストレス要因を認識することにとどまるものではない。ストレス要因を避けたり、簡単な対応方法を探したりせず、それに立ち向かおうとすることだ。

心理面でのメリットは大きい


精神的に疲れる思考や感情があることを受け入れ、そうすることによって積極的に、自らの適応反応(ストレスに適応するプロセス)を特定しようとすることがマインドフルネスだ。そして、そうすることこそが、マインドフルネスがもたらす最大のメリットだ。

否定的な感情や問題があることを認め、さらには受け入れることで、私たちは自分の適応反応と、何が解決策なのかを絞り込むことができる。「問題を避けるのではなく、積極的に向き合うためのプロセスを可能にするのが受容だ」と著者らは指摘する。

悩みとともにある今このときに気づき、受容するとき、私たちは自分自身の混乱を収め、創造的な解決策を導き出す方法を見つけることができる──人事部が従業員にマインドフルネスの実践を勧めるのは、正しいことのようだ。

編集=木内涼子

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