職場の多様性がもたらす3つのメリット

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職場での多様性とは、異なる年齢や性別、人種、性的指向、文化的背景、教育レベルの人を雇うことを意味する。

多様性は創造性や社会的正義の面で重要なだけでなく、調査からは多様性のある職場が業績にも効果的だということが示されている。米コンサルティング企業マッキンゼー・アンド・カンパニーの2015年の報告によると、多様な労働力を抱える企業は各業界の財務利益の中央値よりも大きな利益を得る確率が35%高い。

多様な世界観を持つチームは、従業員や顧客を啓発でき、まだ開拓していない顧客層の心を動かすことができる。こうして、まだ議論されたことがないような他とは違う新たなアイデアに至る会話が生まれる。

ハーバード・ビジネス・レビュー誌に2013年に掲載された記事によると、多様性の水準が高い企業の方が、より多くの市場を獲得できる可能性が70%高かった。より多くの市場を獲得すればオーディエンスの数も増え、利益も増える。これはビジネス界ではゲームチェンジャーになるかもしれない。

それでも、雇用主はいまだに多様性を受け入れていない。

米キャリア情報サイト「グラスドア」の調査によると、従業員の約57%は自分の会社にもっとできることがあると感じていた。また、人的資源に関する米非営利団体(NPO)である人材管理協会(SHRM)の報告書によると、管理職の41%は「忙し過ぎる」ために多様性やインクルージョン(包摂性)のプログラムを導入できていないことを認めた。

ここでは、職場で多様性を受け入れることの3つのメリットを紹介する。

1. 創造性やイノベーションが向上する


多様性は創造性を向上させることが示されている。企業が常に、次の大きな事業を探しているというのは何も秘密なことではなく、私の経験から言えば、こうした素晴らしいアイデアは既存の枠にとらわれない考え方から生まれることが多い。さまざまな人生経験を持つ異なる経歴の人が集まり世界を独自の見方で見ると、複数の視点がもたらされる。

素晴らしい点は、多様性があれば自然と創造性がもたらされることだ。

異なる経歴を持つ人は、同じ文化的視点に基づく退屈な1つの解決策ではなく、いくつかの解決策を提供できる。多様なチームは自然と、問題解決への標準的なアプローチを排除するのだ。

職場の創造性が高まることで、ユニークなマーケティング戦略が生まれる。顧客は、文化的・人種的に多様な人々を描く広告を使う企業により強いつながりを感じ、こうした企業から購入しがちだ。広告で多様性を用いることで、より前向きな評判を築け、市場での認知度が上がり、顧客層も多様になり、その結果として顧客層が拡大する。
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翻訳・編集=出田静

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