残念ながら、キングは死んだ。マーケティングの王位を簒奪したのはアンプリフィケーション(Amplification:増幅)だ。アンプリフィケーションよ、永遠なれ!
ハウツーのアドバイスを制作し、インターネット上で公開する仕事は必須だが、専門家として物事を教えるだけでは、売上増加につながる顧客を獲得するのは難しい。教育の専門家たちは、途方もない量の高品質なコンテンツをつくりだすことを期待されている。圧倒されてしまいそうだし、実際にきつい仕事だ。
アクセンチュアの調査によれば、コンテンツマーケターは100%例外なく、「コンテンツの氾濫」が最大の課題であると認識している。
だが、もっといい方法がある。
「問題は、彼らが2000年代初頭の戦略に固執していることだ」と語るのは、アンプリフィケーションのエキスパートであるリンジー・チェプケマ(Lindsay Tjepkema)だ。「過去20年でどれだけのことが劇的に変化したかを考えれば、これは大きな問題だ。2002年には最先端だった手法でも、2022年には通用しない」
キャステッド(Casted)の共同創業者兼CEOであるチェプケマは、コンテンツマーケティングに関して逆張りをしている。同社は、B2Bマーケターのために生まれた「初のアンプリファイド・マーケティングプラットフォームであり、唯一の音声・動画ポッドキャスト・ソリューション」であるという。
オン・スポット・ソーシャル(On Spot Social)によれば、「アンプリフィケーションとは、より幅広くオーディエンスにリーチするために用いられる手法を指すマーケティング用語だ。ウェブサイトにトラフィックを集める方法は、コンテンツにアンプリフィケーションを実行すること以外にない。コンテンツへのアクセスを増加させ、狙ったオーディエンスに届けるために用いられる手法はいくつかある。コンテンツ・アンプリフィケーションは現在進行形のプロセスであり、望ましい結果を得るために、ふつう複数の手法が併用される」
鍵となるのは、記事やポッドキャストをソーシャルメディアでシェアして、その影響力を増幅してくれる人物を見つけることだ。これにより、コンテンツに触れるオーディエンスの数は指数関数的に増加する。アンプリフィケーショングループを組織して、ただ「シェアをお願いします」と頼むだけで、目をみはるような成果が得られることもある。
「コンテンツマーケターは、オーディエンスとのエンゲージメントを強化し、見込み顧客と有意義な関係を構築し、本物の成果をもたらす忠実な顧客を獲得したいなら、今こそコンテンツマーケティングの仕事の進め方を根本から改革すべきだ」と、チェプケマは主張する。「時代遅れのコンテンツマーケティング戦略を、アンプリファイド・マーケティング戦略に切り替える必要がある」