ビジネス

2022.01.03

スマホ用半導体を自動運転向けに進化させたクアルコムの強み

クアルコムの社長 Cristiano Amon(Getty Images)


業界の3強に躍り出たクアルコム


従来、自動車メーカーはEMI(電磁障害)対策が施され、実績も豊富な旧式チップを採用し、最先端チップの使用を避けるのが一般的だった。これらの半導体の多くは、旧式で大型な28~90nmプロセスノードで製造されており、チップ不足の大きな要因となっている。一方、Snapdragon Rideのチップは、最新の5nmプロセス技術で製造されている。

12月1日のクアルコムの年次カンファレンス「Snapdragonサミット」で基調講演を行ったキャデラックのMelissa Gradyは、リリックに採用したAndroid Automotive搭載インフォテインメントシステムの説明に多くの時間を割いた。ダッシュボードの3分の2を占める33インチの曲面ディスプレイには、「Snapdragon Cockpit Platform」が搭載されている。

クアルコムは、最近開催した投資家向け説明会で、自社製品に加えて現在買収交渉中のVeoneerが開発した知覚ソフトウェアスタック「Arriver」が、BMWの将来のモデルに採用されたとことを明らかにした。運転支援用プラットフォーム市場では、モービルアイ(Mobileye)からクアルコムとエヌビディアがシェアを奪いつつあり、今後は3強による三つ巴の競争になることが予想される。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事