「気づきの力」が欠けている時に見られる5つの兆候

Klaus Vedfelt / Getty Images

物事がわかっていない上司や同僚ほど最悪のものはない。誰のことも、何かのことも、自分自身の行動すらも、まったく気に留めることなく、周囲を何も見ずに進み、キャリアで前進できていない理由が決して理解できないタイプだ。

彼らは、気づきの力を活用できていない人間でもある。気づきの力とは、自分や他人、周囲の状況の理解を助けてくれるソフトスキルだ。

気づきの力は、意識しなければ培われない。にもかかわらず、多くの人は努力など必要ないと誤解している。以下では、気づきの力が欠けている人間に見られる5つの兆候を説明したい。

1. 「自分は何を欲しているのか」という質問に答えられない


自分が欲していることをはっきりと説明できないのなら、今こそ、気づきの力に焦点を当てるべきだ。自己認識力がある人は明晰さを求めており、自分の目標を定期的に再確認する時間を持つことの重要さを理解している。また、自分の欲していることが時間とともに変化する可能性があること、ほぼ必ずそうなるであろうことを受け入れている。そして、その変化に対応できるよう、自らの行動や優先事項を調整している。

2. キャリアを成り行きに任せている


何も考えず、成り行きに任せて仕事をするようになっているとしたら、あなたは自分で自分の首を絞めている。自分のリズムを見つけることは素晴らしいが、惰性で進むのはよくない。

残念ながら、キャリアのマンネリ化に差し掛かっていることに気づいていない人は多い。ただ忙しがるだけで、不満が溜まっているという危険信号を無視しているからだ。自己認識力があれば、自分がやる気を失っていら立っていることを感じ取れるはずだ。前進するために必要な答えやリソースを持っておらず、明確な方向性に欠けているように見えることに気が付くからだ。

3. マルチタスクをしている


残念なことだが、マルチタスクは生産性を向上させてくれないうえに、観察力を鈍らせる原因でもある。脳科学の研究によれば、人間の脳はひとつの作業に集中するようにできており、複数作業を同時進行させようとすると、集中力が分散して能率が落ちてしまうのだ。

マルチタスクをしていると、他者に100%集中して向き合うこともできない。何らかの事情が隠れていることを示唆する身振りや手振り、口調のちょっとしたニュアンスを察知するのが難しくなる。賢明な人間は、目の前の相手に全神経を集中させれば、気づきの力をフル稼働させて、気づきの力をいっそう強化できると知っている。
次ページ > 自分が発するエネルギーに無頓着

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

ForbesBrandVoice

人気記事