米国の中小企業は全体としては楽観的なムードにある。過去1年の事業年度にマイナスもしくはゼロ成長だった企業が41%を占める一方で、半数超(58%)の企業はコロナ禍が明けたあとには自社が以前よりも強くなっているだろうと答えている。
調査では、中小企業が2022年に積極的に投資しようとしている5つの分野も浮かび上がった。ひとつずつみていこう。
顧客体験
中小企業の経営者はデジタルトランスフォーメーション(DX)をさらに進めようとしており、そこで最も重視しているのが顧客だ。回答者の80%超が、来年注力することに顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)を挙げている。また、新規テクノロジー投資の第一の目的として、より多くの顧客にサービスを提供することを掲げた人も3分の1にのぼった。
どんな技術に投資するかを検討する際、中小企業の経営者が考慮しているのは、それによってチームの能力を引き出せるかどうかだ。また、経営者の4人に3人は、従業員が革新的な顧客体験を生み出せるように、その能力を高めることを計画している。
顧客体験を高め、より多くの顧客にサービスするために、データを活用したいと考えるのは当然だろう。来年中に顧客分析ソフトウェアを購入する計画があると答えた経営者は45%に達した。
多様性・公平性・包摂性
「ダイバーシティー・エクイティー・インクルージョン(多様性・公平性・包摂性=DE&I)」は、企業規模を問わず各社が来年も重視するとみられるテーマだ。中小企業の経営者でも、62%が2022年にDE&Iに向けた取り組みに投資する方針だと答えている。