ビジネス

2022.02.07

無人コンビニという新市場 レジなし「ローソンGO」も

マンション向けに特化した『Store600』(画像提供:600)


2021年4月からはコロナ禍によるオフィス外での需要拡大を受け、マンション向けに特化した『Store600』もリリース。『Store600』では、スマート施錠、キャッシュレス決済という無人コンビニ『600』の基本仕様は踏襲しつつ、マンション向けに意匠性の高いデザインでブラックとホワイトの2色のカラーバリエーションを用意。居住空間が近いことからケースは冷蔵から常温へと変更、即食商品よりも文房具などの品揃えを重視した。決済システムはカードリーダーではなく、専用アプリでのスキャンによる決済となっている。

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マンション向けに特化した『Store600』(画像提供:600)

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カフェスペースにも馴染むよう、意匠性の高いデザインに設計(画像提供:600)

顔パスでウォークスルーできる『ローソンGO』の挑戦


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LawsonGo外観(旧)(画像提供:ローソン)

一方、「無人店舗型」に挑戦するコンビニ大手ローソンは、2020年、「手ぶらで入店し、商品を選んでそのまま退店する」ことができるレジなし店舗『ローソンGO』の実証実験を行った。対象となったのは、神奈川県川崎市内にある「富士通新川崎TSレジレス店」だ。富士通開発の「マルチ生体認証」技術と米国のスタートアップ企業が提供する「Zippin」のAIソリューションによって、利用者は店舗を手ぶらで訪れ、レジでの会計作業を行うことなく商品を購入して店舗を出ることができる。

入店時に専用端末に手のひらをかざす静脈認証とカメラで顔を検知する顔認証技術を組み合わせたマルチ生体認証によって本人確認ができるほか、専用のアプリをゲートにかざすことでも本人確認ができる仕様となっている。

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入店ゲート(旧)(画像提供:ローソン)

店内は直線通路で両側の棚に商品が陳列されるシンプルな構造になっている。各所に複数設置されたAIカメラが、来店者の服装や体形情報から人物を、棚に設置された重量センサー等から商品情報を読み取ることで、顧客情報と商品情報を紐づける仕組みだ。

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LawsonGoの内観(旧)(画像提供:ローソン)

取り扱い商材は、同社の売れ筋品目から250品目をピックアップ。省人化営業と、レジ待ちストレスのない購買体験の創出を目指す同社では、今後有人店舗の近くに『ローソンGO』を出店することやセルフレジと併設させることなども視野に該当店舗を増やしていく考えだ。

IoTの普及やDXの高まりに加え、コロナ禍や人材不足といった社会問題に後押しされる形で急激に拡大しつつある無人コンビニ市場。レジレス、キャッシュレス、仮想空間型VR店舗など、日々革新を続ける業界の最新動向に今後も注目していきたい。

文=アステル 編集=石井節子

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