CO2削減に貢献 家の壁が「充電式バッテリー」になる未来

自宅はくつろぐだけの場所ではなくなるかも?(Photo by Ralph Kelly on Unsplash)


世界経済フォーラムのグローバル・バッテリー・アライアンス(GBA)は、ネットゼロへの移行を目指す中、バッテリーとそのテクノロジーが果たす役割について研究しています。

この課題は決して容易なものではありません。なぜなら、バッテリーが未来の中核を担っていくには、投資と技術開発が欠かせないからです。バッテリーは再生可能エネルギーを貯蔵する優れた方法である一方、その生産には希少な鉱物資源を必要とするため、環境を考慮した方法で廃棄することが難しいという問題もあります。

GBAは、責任ある循環型バッテリーバリューチェーンを実現する方法を模索しています。これが実現できれば、パリ協定における運輸および電力分野における目標達成のため、大きな原動力となるでしょう。GBAは、バッテリーが2030年までに運輸および電力分野で求められている炭素排出削減量の30%を実現できるとしています。ただし、そのためにはバッテリーバリューチェーンを今後10年間で19倍に拡張していく必要があるのです。

蓄電池は、世界最大の課題に取り組むためのイノベーションを生み出している世界経済フォーラムのプラットホーム、UpLink(アップリンク)の重点注力分野でもあります。

コンクリート産業の持続可能性向上においては、まだ取り組むべきことが多くあります。ガーディアン紙の記事は、セメント産業を一つの国として例えるならば、中国と米国に次ぐ世界第三位の二酸化炭素排出国となる、としています。

例えそうであったとしても、住宅をバッテリーとしての活用することは、二酸化炭素排出量削減に向けた多くのソリューションの一つになる可能性があり、機能的な素材としてのニーズが高まっています。まだ初期段階にある概念ではありますが、チャルマース大学の研究者たちはこのアイデアが突破口になると自信を持っています。

「将来的には、この技術によって、全体が機能性コンクリートで作られた多層建物が建ち並ぶようになるでしょう」と、チャン博士は語ります。「コンクリートの全ての表面にこの電極の層が埋め込まれるようになれば、膨大な量の機能性コンクリートが活用される未来がやってくるのです」

(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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Emma Charlton, Senior Writer, Formative Content

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