ビジネス

2021.12.21 08:00

ニュースルームの多様性が「より良いメディア」を生む理由


エピセンターNYC社の成功は、ローカルメディアがコミュニティの信頼を得ることができた時にどれほど大きな影響力を持つかということを示す一例です。エピセンターNYC社は、ニューヨークのジャクソンハイツ地区の住民が中心となって設立した、住民のためのメディア企業。地域でのワクチン接種率が低迷していた際、エピセンター社はワクチン予約に関する情報をサイト上で簡単に確認できるよう公開しました。その結果、同社は4600名以上のワクチン接種を促進したのです

ニュースルームの多様性を高めることは、様々なコミュニティやその他の少数派のグループとの信頼関係の構築に役立ちます。パンデミックが未だに猛威を振るっている中で、ローカルなニュース機関も、国際的なニュース機関も、視聴者との信頼関係を維持・構築するための方法を模索しなければなりません。

メディア機関の収益性を向上させる


研究によると、高い多様性を備えた企業は多様性のない企業に比べ、収益性の面で上回る傾向にあることが示されています。マッキンゼー社(McKinsey)の2019年の分析によると、経営陣のジェンダー・ダイバーシティが上位4分の1に入る企業は、同業他社に比べて平均以上の収益性を達成する可能性が25%高くなっています。ニュースルームの多様性や包摂性を積極的に優先しようとしない報道機関は、読者・視聴者と収益の双方を失う可能性があるのです。

世界経済フォーラムが発表した調査結果が浮き彫りにしているのは、今の世界を正確に反映したニュースコンテンツの提供を誇りとするメディア機関を更に良いものにしていくためには、ニュースルームの多様化が不可欠だということです。

(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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Jeanne Bourgault, President and CEO, Internews

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